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新型コロナ収束のシナリオは3~5年

新型コロナ 収束への道/花村遼・田原健太郎』を読んだ。

本書は、コロナがどのような形で収束に向かい、どのように経済が回復し、収束後はどのような社会が待っているか、という誰もが知りたい問いに対して考察した内容になっている。

そして今回、3回目の緊急事態宣言が発令された。
今後どのようにして収束していくのだろうか。
感染症の歴史を振り返ってみても、収束に向かうには集団免疫が必要だ。
そのカギとなるのがワクチンだが、日本の接種ペースは世界に比べ、格段に遅い。
また、ワクチンの副作用や変異ウイルス問題も考慮すれば、後1~2年で集団免疫を獲得するのは不可能だろう。

これから数年間、部分的収束の状態を維持しながら経済活動の制限を可能なかぎり最小限にしたいところだが、緊急事態宣言となると経済的ダメージが大きくなる。
では、経済の底はいつになり、いつから回復に向かうのか。

本書では、経済回復までの4つのシナリオが提唱されている。

【アップサイド】経済V字回復(2年)
2021年中にワクチンが幅広い層に接種され集団免疫を獲得(2022年収束)
【ベース1】経済U時回復(3年)
2021年中にハイリスク者のみワクチン接種を開始(2023年収束)
【ベース2】経済U時回復(3~5年
ワクチンと自然感染で集団免疫を獲得(2024年以降)
【ダウンサイド】経済停滞が長期化(5年以上)
感染は収束せず、新しい社会システムで経済活動を行う

いずれにせよ、集団免疫次第であろう。
当面経済は回復しないと仮定し、中長期的なシナリオから自分自身の対策を練っておく必要がある。

危機管理に対するこんな金言がある。
『悲観的に準備し、楽観的に対処せよ』
本書を読み、悲観的なシナリオから目を背けることなく、準備し、計画を立て、前向きに行動しよう。

【今週の読了】
■複業で成功する/元榮太一郎 新潮社 2019
■さいはての彼女/原田マハ 角川書店 2013
■7割経済で勝つ新デジタルシフト/大前研一 プレジデント社 2020
■ダマシ×ダマシ/森博嗣 講談社 2020

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