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留学生のアメリカ就活事情(後半)

「Serendipity(偶然の産物)」は、私の人生を良く表現する言葉だと思っている。7か月間の苦しみと貧困の末に(失敗に終わったが、輸血で稼ごうとしていた)、最後の頼みの綱が切れ、帰国を本気で考えていたところ、あるイベントで知り合った方からオファーをいただいた。この出会いがなかったら、仕事は見つからなかったと確信している。今までの人との出会いに本当に感謝している

後半の就活事情は以下のとおりである。

  • 7月末時点で応募件数は269件。オファーはゼロ

  • インタビューしたアメリカの会社は5社。最終まで進んだのは2社

    • 大手テック企業:経験年数が2‐3年程のジュニアロールで最終面接まで進んだが、これといったフィードバックもなく断られた。数週間経過後、再度同社の別のロールを10件ほど見たところ、すべての応募フォームに「STEM OPTを含むスポンサーは必要か」とSTEMに関する言及が追記されていた

    • 中小政府系:経験年数が2‐3年程のジュニアロール。面接官のチームメイトとハイヤリングマネジャーも経験年数が3‐4年ほどの若手だった。最終面接の手前、2週間ほどアップデートがなく、3週間目にお断りのメールが届いた

    • 大手NGO:シニアロールだが、給料はジュニア。リクルーターとの電話面接でべた褒めされたが、3‐4週間ほど音沙汰なく、3度のフォローアップの後、お断りされた。Glassdoorで調べたところ、電話面接後に無視されたという方がちらほらレビュー残しているのが見受けられた

    • スタートアップ:経験年数5年程のジュニアロールで面接が進んだ。最初から、「10年も経験がある人からアプリケーションが入るとは思っていなかった」と驚かれた。外国人を雇用した経験は明らかにない。最終面接までとんとん拍子で進むが、1週間後に断られる。特にフィードバックはないとのことだった

  • 就活をする7か月間、OPT/STEMを雇用しないという但し書きを見受ける頻度が上がった:

  • 外国人の友人の大半は、学生保険が切れる7月末に、諦めて帰国していった。仕事も収入もなくアパートを見つけるのは困難なので、カウチサーフィンをして、ポットラックのイベントなどでタダ飯を食べてなんとか生きている人もいた

  • イベントで会った学生が、大手企業から「今(政治的に)非常に不安定なので、あなた(外国人)を雇えない。あなたのスキルや経験に問題はない」と、本人含め、他の学生も断られていると証言した

    • 2024年11月、政権がリパブリカンへ交代した場合、外国人雇用のビザへ大きな変化が起きる可能性があるという懸念が背景にある

    • 現地リクルーターによると、今年はOPT/H1Bで雇用しているクライアントはいないとのことだった

結論:

  • アメリカにおいて、F-1 OPTで仕事を見つけることは、ほぼ不可能である。日本での経験は全く意味がないので、面接にたどり着けても、給料もポジションも低い、ジュニアロールだと思った方が良い。それでも、アメリカで絶対住みたいという断固たる決心があるなら挑戦したら良いと思うが、そうでないなら、時間・金銭・精神へのダメージを鑑み、挑戦することを全くおすすめしない

  • アメリカはネットワーク社会なので、Referralあろうとなかろうと、地道に申し込んでいても無駄である。イベントに積極的に参加して、ネットワークを広げることがとても重要だ

私は、正直に言って、HKSに憤りを感じている。外国人がOPTやSTEMで仕事を見つけるのは簡単だという言い方で学生に希望を与え、OPTビザの申請を通して手数料を徴収している。助けを求めても、彼らは就活のプロでは全くないので何も助けにならない。希望を与えるなら、就活のプロを雇うべきだし、雇えないなら、希望を与えないべきだ。なお、キャリアセンターに外国人向けのセミナーや、実際にOPTで仕事を見つけた人たちを集めたセッションを開いてほしいとお願いしたが、返信は来なかった


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