見出し画像

【2019】第1節 FC東京戦 レビュー

『開幕戦のテンションと多摩川クラシコのテンションということで、2つ高まるところがあった。』と中村が語るように試合は拮抗した内容になった。

どちらかが集中力を欠けば試合が決まるというような状況であったため、観ている側としては0−0という結果以上に楽しめた内容だったのではないだろうか。

だがしかし、これで満足はしていない。

勝つために戦い続ける。それが王者の在り方だ。

さて、今回のラインナップはこちら。

①沈黙の前半。怖さを出せなかった攻撃陣のその理由(わけ)とは。

②『少し安定感を欠いた』(鬼木監督)繋ぎ。アバウト過ぎたが故に生まれてしまったピンチ。

以上の2つです。

では。

①沈黙の前半。怖さを出せなかった攻撃陣のその理由(わけ)とは。

ゼロックス杯でも中々攻めてはいるもののゴールを脅かすことができなかった攻撃陣だが、この試合でもそれは強く出てしまった。

スターティングメンバーに特に変更はなく挑んだが、ゼロックス杯の時よりも怖さはなかったよううに感じてしまった。

その要因として小林は次のように言う。『自分以外にもシュートまで行ける選手がもっと増えないといけない。もう少しダミアン(レアンドロ ダミアン)を使わないといけなかった。』単純にシュートを打つ選手の数は少なかった。1試合を通して川崎が放ったシュートは計11本。その中で小林が放ったシュートは7本で約6割を閉めている。後半レアンドロ・ダミアンが交代し、一時ワントップに入ったこともあるが、基本的にサイドでこの試合を過ごした小林がここまでシュートを放てたことは大きい収穫である。

だが、シュートを放つ選手が固定化してしまえば中々ゴールネットを揺らすことはできない。そういう意味で『ダミアンを使わないといけなかった。』という小林の言葉が表すように、レアンドロ・ダミアンをポストに使ったり、シュートを打たせたりなどの工夫が足りなかった。

結局シュートを一本も放てなかったレアンドロ・ダミアンだが、彼は圧倒的な空中戦の強さに加え、足下の巧さも兼ね備えている。なので、単純にクロスやロングボールといった作戦もあるが、谷口がゼロックス杯で積極的に仕掛けていたように”付ける”パスを選択しても収められるので攻撃の幅は確実に広がる。

ただ、結果的に言えば『決めれば、しっかり勝ったよねという内容だった。』(中村憲剛)

後半は前半と比較すればチャンスの回数も増え、ゴールの雰囲気は幾度となくあったが、そこで中々崩せられなかった。

『自分たちへの対策としてブロックを組むのは絶対やってくる。それでもこじ開ける力強さ、ボックス付近のアイディアや大胆さが必要』とは守田の言葉で、繋ぐのかそれともシュートを打つのか、はたまた裏をとるのか。その判断は選手各々が理解していかなければ得点という結果は出てこない。

『上げておけばいいというクロスにするよりも、何度もやり直すこと。』(馬渡和彰)

はっきりいって、終盤少しパワープレーをするのならばレアンドロ・ダミアンを下げないでもよかったのではないかと感じた。ただ、馬渡の言葉からもわかるようにチームとしてパワープレーをする意図はあまりなかったのではないかと感じる。

それよりかは、『やり直して、攻撃をやり続ける。』(馬渡和彰)。そして、隙あらばエリア内での勝負を仕掛け、ニアゾーンを攻略する。

馬渡はニアゾーンに侵入はしていたものの攻略といった部分では中々そう簡単にはいかなかった。

しかし、シーズンは始まったばかり。『一戦一戦大事に戦って、最後に一番上にいられるようにしたい。』という小林の言葉通り、これからが大切になってくる。 

②『少し安定感を欠いた』(鬼木監督)繋ぎ。アバウト過ぎたが故に生まれてしまったピンチ。

川崎フロンターレといえば後方からのビルドアップも武器であり、ディフェンス陣にも足下の技術が求められる。

ただ、この試合に関していえば『少し安定感を欠いた』(鬼木監督)。実際、谷口がハイボールの処理を誤り、ピンチを招いたシーンもある。そういったところでやらせてしまっては簡単にゴールを奪われてしまう。

なんとかゴールを奪われずに済んだが、一歩間違えばゴールを許し敗戦していたのかもしれない。そんな守備に対して谷口はこう振り返る。

『ルーズボールだったり、アバウトなボールも入れられて、今日は風も強くて、処理に戸惑う場面があった。』

風の強さが1つの要因になっていたが、それでもミスは少なくしなければならないし、FC東京の攻撃陣は待ってはくれない。

スピードとパワーを兼ね備えてるFC東京の攻撃陣は空、地と両方の戦いに対して強さを発揮でき、なおかつ強靭な守備力がある。こういった相手に攻撃をさせないためには細かいところでのボールの扱いなどに気をつけなければいけない。

カウンターは仕方ないとしてもボールの処理を誤ってのピンチは無くさなければならない。
**
『セカンドボールを拾えなくて相手の時間が長くあって、そこで点を取られていたら負けていたと思う。』(守田英正)**

ボール処理の雑さに加え、セカンドボールに対してのリアクションの数もFC東京に攻撃をさせやすくしてしまった。

そういった意味では『相手はセカンドボールを徹底して、そして奪った後にカウンター』(車屋紳太郎)というサッカーをしてきていたので、それをどうやって止めるのか。または、させないのか。

1つは前線からのチェイシングがある。今のフロンターレならではの特徴であるこのチェイシングの早さを武器に今後はどう戦っていくのか。
この試合ではFC東京がお手本のように早くて強いチェイシングを繰り出してきていた。

そこで中々上手くボールを捌けなかったのが原因でピンチを作ってしまった。

相手にも同じような危機感を与えるためには早くて強いチェイシングであったり、セカンドボールに対しての素早いリアクションなどが必要になる。

セカンドボールをマイボールにすれば済む話だが、そうも簡単にいかないのがサッカーというスポーツ。

セカンドボールを相手に奪われた際にいかに早く奪い返せるか。ここに勝負はかかってくるに違いない。今後はボールへの執着心がカギになるはずだ。

(RYUJI .I)

参照:

・川崎フロンターレ公式HP

・DAZN

↓公式ハイライト↓


サッカーライターを目指し投稿中。 更新頻度は異なりますが、思ったことを投稿していければ。 川崎フロンターレを応援しています。