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XR時代において、デザイナの価値が飛躍的に上がるという話

VR、AR、MR、SRなど今後XR時代が主役になるのは間違いないですが、この時代においては間違いなくUI/UXデザイナの価値は、今の比じゃないくらい上がるよねという話です。

既に書いただけでもVR、AR、MR、SRと多くのジャンルがありますが、これからも色々なジャンルが確立され、ますます僕らの現実と高度なテクノロジーが融合し、リアルとバーチャルの違いが曖昧になります。

そんな時代において、UI/UXデザイナの価値というのは、今の比ではないくらい飛躍的に、爆発的に高まるだろうと考えています。

もうこの時代においては、UI/UXという枠組みではなく、統合的な体験(Total Experience)の設計に移行するので、UI/UXデザイナという呼称が死語になるかもしれませんが。

主な理由は以下の通りです。

1. 複雑なコンテキストが絡み合う中で高度な体験設計が必要となるから

2. コンピュータやヒトの理解だけでなく、物理学や力学など空間や物体に関する知識をはじめ複合的な知見が必要とされるから

3. UIはじめインタラクションやフィードバック設計がより高度化&複雑化するから

他にも色々ありますが、主要な理由はこれらかなと。
順に説明しますね。 

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理由1. 複雑なコンテキストが絡み合う中で高度な体験設計が必要となるから

XR時代においては、デザインする範囲は、より広範囲かつコンテキストが複雑化します。

現在のスマホ時代におけるユーザー体験設計よりもXR時代においては、対象のデバイスを使う際の周囲環境や対象ユーザーの身体的特徴といった、ユーザーを取り巻く環境への理解がより重要になります。

さらに、ユーザーインターフェース設計時には、ユーザーインターフェースが現実世界の、もっといえばそのユーザーがいる場所の属性的な制約を受ける場合があります。

AR系のアプリーケーションだと尚更そうでしょう。

したがって、より複合的かつ広範囲のコンテキストを見た上で設計しなければならなくなり、理由2とも重なりますが、そのために必要な専門知識も広範囲になります。

デザイナは本来の役目である「設計者」としての色合いがますます強くなり、そこに対して最も価値を発揮できるポジションとして重宝されていきます。

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理由2. コンピュータやヒトの理解だけでなく、物理学や力学など空間や物体に関する知識をはじめ複合的な知見が必要とされるから

前の内容と一部重複しますが、今後のXR時代において、デザイナが身につけるべき知識体系がより広範囲になります。

理由としては、前述の通り、コンテキストの範囲がより拡張されるからです。

例えば、室内をバッティングセンターに変換して擬似バッティング体験ができるAR系のサービスがあるとします。

そこでインターフェイスを構築する際、室内の広さをまず計算し、野球ボールを投下するオブジェクトとバッターオブジェクトのサイズ感と距離を算出、さらにその距離と設定したボールの進行スピードからボールの動きとしてのアニメーションを設計するという流れができます。

さらに、そのボールをバットで打った時のボールの飛距離や軌道のフィードバックは、物理学や力学などの知見を要しますし、その他にも様々な諸専門的知識が必要になるでしょう。

このように、デザイナの設計に要する知見の広さはますます広がっていきますし、逆にこれらの知識がなければ、現実に馴染んだインターフェイスやインタラクションの設計が難しくなります。

これだけの高度かつ専門的な知識を持てたのなら、デザイナの価値が高まるのは言うまでもありません。


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理由3. UIはじめインタラクションやフィードバック設計がより高度化&複雑化するから

これは理由2の記載内容を既に読んでいただいたら分かると思います。

単純な対デバイスではなく、現実や自然法則と結合した上での高度なフィードバック、インタラクション設計が必ず求められます。


以上3つ、理由を記載しました。

他にも様々な視点や論点があるでしょうが、間違いなくデザイナの価値は圧倒的に高まっていくのは間違いありません。

僕自身もXR系のサービス設計知見が乏しいため、確実性のある論拠ではないかもしれませんが、いずれにせよ設計者たるデザイナの真価が発揮できる時代だなと思います。

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XR時代ではスキューモフィズムに原点回帰する?

話がずれてしまいますが、XR時代でのインターフェイスにおいては、現在はほぼ積極的に使われなくなってしまった、スキューモフィズムがまた復活してくるでしょう。

現在はフラットデザイン、ミニマルデザインの勢力が強いですが、XR時代においては、スキューモフィズムのその圧倒的な直感性と現実との親和性の観点で強みを発揮すると考えています。

そうなると、再びデザイントレンドが原点回帰するので、面白い流れになりそうですね。




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