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【STR DAY2】経営戦略②

クラスからの学び

セッションA
【テーマ】同じ業界における戦い方とその背景を考察する
【ケース】ザラ:急速に伸びるファッション企業

セッションB
【テーマ】成長企業が今後さらに成長するための考え方を理解する
【ケース】ザラ:急速に伸びるファッション企業

今回はファストファッションの雄、ZARAを運営するスペインのインディテクス社のケースを元に経営戦略を学んだ。

始めは前回のクラスから学んだことを受講生で共有する時間からスタート。
前回、かなり刺さった気づきがあったので僕も発表をした。
以下、発表内容。

「前回、KSFは自社の都合などお構いなしに外部環境によってのみ決まるということが最も大きな気づきとなった。KSFを外部環境から捉えるというのは、EMS(マーケ・経営戦略基礎)をはじめ様々なクラスで何度も耳にし、課題でも取り組んできたことであったが、なぜ今この言葉が自分に響いたのかを考えてみた。

そこで気づいたのは、自社が始めようとしているとある事業についてだった。起業して8期目になるが、創業の時から自分がどうしてもやりたい事業があった。今年はついにその事業開始に向け現実的に動いていくが、自分がやりたいことが成功する事業とイコールとは限らない。むしろイコールでないことの方が多いだろう。

この事業を開始するにあたり、説得しなければならない人たちがいた。おおまかにPEST、3Cなどの外部環境分析をし、この町になぜこの事業が必要なのかを考えてはいたが、大前提に「自分がやりたい」という思いがあった。そのため、外部環境分析をするにも自分に都合の良い情報だけを集めて組み合わせていたかもしれない。それが一番の反省点であり前回で最も重要な学びだった。」

やりたい≠成功する。

やらたいからといって成功するわけではないし、成功するからといってやりたいわけではないという格言が自分の中にできた。

そして講師からは「熱狂と疑いの両方が必要。疑いとはレンズをかけかえて見ること。」という言葉をいただいた。

何年か前に、アダム・グラントのTEDトーク「独創的な人の驚くべき習慣」でとても共感してよく覚えているスライドがある。

創造的な過程で多くの人がこんな考えを辿る
①これ最高
②微妙
③ダメだ
④自分はダメだ
⑤大丈夫かも
⑥最高

新しい価値を世の中にローンチしていくベンチャー起業家たちも不安になるものなのか、一緒じゃないかと、笑ったのを覚えている。不安になるからこそ、どうやったら成功するかと考えるものだ。

さて、前置きで1000字を超えてしまったが、本題のザラのケースでは、同じ業界に存在しても企業によって導き出す答えは違うことを学んだのが自分にとっては大きな気づきだった。

業界特性を考え、抽象度の高いKSFから、自社なりの解を導き出すことが大事だ。そして業界で成功する方法は一つしかないわけではない。これは、経営のスタイルや手法が180度違っているのにどちらも成功していたり、成功している手法を真似ていても失敗することがあったりするのと本質的には同じと思える。

他にもいろいろと学びはあったが、今回も引き続き、外部環境や業界特性からKSFを導き出していくという学びをさらに深めた回になった。

自分(自社)への転用

介護と名の付く領域で事業を行う時、PESTのうち人口構造とその変化、医療介護関連制度の変化がもっとも大きな影響力だ。ここは絶対無視できない。

そして業界特性を考える時に、業界定義をどのように定めるかが重要だろう。介護保険サービス業界では広すぎるが、切り口として介護保険サービス単位で区切ることがあるかもしれない。例えば〇〇市の通所サービス業界とか。しかしここで難しいのは、介護保険という業界はエコシステムのため一人の顧客に対し様々なサービスが複雑に絡み合ってサービス提供しているという点だ。特に事業種別括りでファイブ・フォースとかやると整理ができずほとんど機能しない。なのでこういう業界定義は自分的には全くヒットしない。

やはり、ジョブ※で定義するのが一番分かりやすい。
ただその前に、顧客は誰か?という難問がある。

それはもちろんサービスを実際に使う利用者さんなのだが、これはDMUが複雑に絡むため、誰をターゲットとして価値を訴求するかはとても難しい。
以前、利用時のDMU考察という記事を書いたが、プロモーションの難しさはここにあると言える。(ここから先は実名公開のブログでは書きづらいので省略…)

さらに介護保険事業のKSFを考える上で顧客と同じくらい重要なのが、人材の確保だ。ここが弱いと普通に潰れるし、人材紹介業でやりくりしていると利益率は悪化する。死活問題だ。

そして時間軸で考えると、市場の成長・停滞・衰退期がすでにほとんど決まっているという点も考えなければならない(地域別の人口推計を見れば明らか)。

と、KSFを考える上で最重要な情報はこんな感じだろうか。
改めて、自分は何屋で、どんなジョブを解決しようとしていて、その業界のKSFは何かを考えるいい機会になった。

※ジョブとは、顧客がある特定の状況下で成し遂げたい進歩というHBSの教授が提唱した考え方。

つい先日「ジョブ理論」著者であるハーバードビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授が永眠されました。ご冥福をお祈りいたします。




介護サービスの会社を経営しながら、経営学を学ぶため大学院に通っています。起業前の13年間は特養で働いていました。介護現場と経営と経営学、時々雑感を書いています。記事は無料ですがサポートは大歓迎です(^^)/