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【哀し、ボク、愛し】
(アイシ、ボク、カナシ)


双極詩 綴り見出す 切望の轍


自虐雨 我を忘れて ただ浸る


無垢なまま 堕ちる花弁 気高く清く


幸せだ 明かりが灯った だけなのに


悲しいな 嘘にも満たない 僕は戯れ言


血筋とは 信頼という 名の欺瞞


もうできず あの純粋な 笑顔だけ


雪の夜に ただ堕ちてゆく 僕は亡骸


廃と化し 優しく無意味な 夢を見る


孤独さ故 萎んだ花弁(カベン)に 水をやる


君は死に 喜んだ者 誰一人


景色歪む 怒りと焼かれ 慈悲に哭く


日常が 当たり前となり 塞ぎ込む


目まぐるしく 蠢く途(ミチ)は 人生と


生き詰まり 窓の外には 葉の緑


靴底と 心の傷が その証


その努力 実を結ばずも 周知の事実


心閉す 変幻自在な 被害妄想


偏見と 純粋に歪む 理想だけ


触れること 疾うの昔に 破り捨て


受け入れて 孤独に背を向け さようなら


矛盾巣喰う 偽善の世界で 朱鷺(トキ)が啼く


寂しさなど 決して貴方は 無くならない


瑠璃の破滅 対岸に潜む 黄土の虚飾


君想う 静寂さらう 雪景色


囚われた 寂寞響く 僕の音


不愉快に 巡らせ響かす 嘘の苦痛


偽りの 解釈持って 癒し在り


浅はかな 思考浮き彫り 非現実


忠誠と 好奇の狭間で 揺れ惑う


艶かしく ザラツク音階 謡い出す


今はまだ 人間として 人喰らう


叶わない 空飛ぶ鳥の 優しい背中


埋め尽くす 色鮮やかな 灰色で


静寂と 鼓動の音に 脈打つ動


生きるとは 感じ愛した 成れの果て


黒蝶(コクチョウ)舞う 鱗粉で死と 空(クウ)に書き


家族とは 無くてはならない 憂鬱さ


人の夢 愛憎劇に 終止符を


亀裂から 生じる欲望 人そのもの


一度でいい 一度でいいから 歩みたい


シャットダウン 心の色から 三原色


愛してと あの日と変わらぬ おまじない


ゴメンねの たった一言 遠すぎて


ありがとう それさえ言えず 渦の中


自立心 強さ拗(コジ)れた 甘えん坊


もう何も 怖くはないと 傍観者


鴉(カラス)啼く 慟哭(ドウコク)の色 蔓延(ハビコ)らせ


迫り来る 終わり明日に 青い鳥


僕の為 もう一度だけ 笑ってよ



【悲し希絶望歌】
(カナシキゼツボウカ)


存在は 神の雑念 裏腹の
意味も無いのに 勘ぐる私(ワタクシ)


鬱(フサ)ぐ心  闇をも遮断 色を削ぐ
故に純白  私の心


這う痛み  冷酷に朽ち  消え堕ちる
朝よ来るなと 瞳に目隠し


終止符を  凍えた身体に  口づけを
誰でもいいから  愛を 熱を


憎しみに 嘘で優しく 蓋をする
哀しき愛で 実に優しく


あの人の 声や温もり 優しさは
あの頃のまま 変わらずそこに


残酷な 時の流れが 奪っても
確かに脈打つ 愛があるから


成長に 欠かせはしない トラウマや
心の痛みは 涙の旨み


ひっそりと 咲いたコスモス 純朴が
渦巻く欲に  目を向け枯れた


零れ落ちる 生きたいという 願望に
嘘も死さえも 音無く散った


揶揄(ヤユ)すれば 浮かぶ希望の 儚さに
反する絶望 気高く聳(ソビ)える


降りしきる 雨に打たれて 君と僕
光も闇も 二度と映らず


夢現(ユメウツツ) 決して悲しい 訳じゃない
なのに涙が 止まらぬ魔法


いつからか 愛することが 罰となり
愛されることが 罪へと変わった


偽善家族 温もり冷やす 猜疑心(サイギシン)
心の命日 全てにオヤスミ


枯れ果てた その涙とは 裏腹に
君は世界を 再び灯す


ありがとう たった五文字を 言えたなら
ゴメンねなんて 言葉知らずに


信じてた あの空さえも 色褪せて
あの頃よりも 低く聳える


こんな想い するくらいなら 初めから
一人孤独で 何も知らずに


手を繋ぎ 沈む心を 弔った
折り重なった その一瞬に


泣き方も 知らぬ二人が 手を取れば
この世に怖い モノなど何も


あっけなく 溶けて無くなる この雪は
僕の無くした 無垢な心と


逆らえず 許しを乞うても 逃げられず
この生からは 決して逃げれず


抑制の 中に見出す 自由こそ
希望に満ちた 意味ある孤独さ


幼さ故 狭い世界で 泣いていた
外の世界の 希望知らずに


一粒の 鳴りが流れる 虚しき血汐(チシオ)
光ることなく ゆっくり止まる


あの人の 分まで今日も 息続ける
素敵な今日を 生き続ける


ゆっくりと 瞳を閉じて 亡者の声
耳を澄ませば いつも歌声


自分抱き 人を疑い 死を望み
眠ることさえ 怖がる始末で


アスファルト 足跡残らず 見失う
心の音を 見失うから


今もただ この血は僕を 生かすのに
偏屈な思想 それをも疑う


哀しげに ぽつり佇む 夢たちが
傘を片手に 見守る背中


ありがとう 言わせて欲しい それだけを
そしてさよなら 君から告げて


星空を 眺めあの日の 崩壊音
首をくくった 蜘蛛となれれば


産声と 終わりの音が こびり付く
鼓膜に優しい 春の歌声


今はまだ 孤独憂いが 友達で
悩み苦しむ 美徳がダイヤ


涙さえ 流せぬ僕は 獣(ケダモノ)で
人間らしさを 喰らった狼


もう二度と 戻ることなき その笑顔
当たり前だと 思っていたのに


さようなら ピエロに扮した マザーテレサ
空き瓶投げられ 逆上Party


遊んでよ パパママボクと 遊んでよ
アナタ型のボク それは事実だ


もう一度 暖かい部屋で 眠りたい
温もりなんて 我慢するから


幸せも 温もり優しさ 愛情も
甘く腐った 思い出のケーキ


時忘れ ジグソーパズルの 最中に
余分な柵 一切関せず


始まりは とても静かで 穏やかで
終わりはそれを 打ち消す静寂


移り変わる 激しい僕の 心情に
ただ毛繕う 君の優しさ


初めから 笑い方など 僕たちは
知りもしないのに 笑い合えてた


悲しくて 決壊しそうな この心
無音の部屋で 僕の亡骸


希望描く 愛を灯した 命燃やす
人は独りじゃ 生きられないから


襲いかかる 悲観の渦も 撥ね除けて
希望の波が 奪い去ってゆく


激情に 切り刻まれた この心
遠いあの日に 置き去りのまま



【異常気性】


笑えばいい 笑えばいいさと 歩いてく
顔を隠して 心も閉ざして


全て嘘  全てがフィクション 囁いた
哀しげな花  ただ囁いた


望まない 何も要らない 欲しくない
でも少しだけ  愛をください


至極綺麗  どちらも単に 美しい
己の信じた  道を往ければ


街並みが 陥没していく 綺麗だな
命が消えゆく 綺麗だな


一番の 悪は否定と 盲目さ
他(タ)を寄せ付けぬ 傲慢(ゴウマン)さ


涙腺は 意味を成さずに 閉じ込めた
昔はできた あの笑顔だけ


死んだって 今の僕には 悔いは無い
下らぬ人生 歩んでいるから


僕のまま あり続けたいと 願っても
変わらなければ 生きられやしない


格好の つかない人間 様の持論
無様な正義 一体何故だ


四面楚歌 紅蓮(グレン)地獄に いるような
ヒステリックが 脈打ち笑う


情報に 置き換えられる 感情を
真実とする 狂った世界で


死に抱かれ 愛に侵され 入り乱れ
不和と不協に 苛(サイナ)まれ啼く


枯れ果てた 花弁(ハナビラ)数える 必然と
恐怖と幸福 連なる純朴


吐き散らす 君に塗れた 血の笑顔
鏡を見る度 押し潰されよう


生に生き 死に溺れれば 見えてくる
絶対的な オルガスムスと


雛罌粟(ヒナゲシ)に 存ずる我を 問うたなら
微笑みの絵に 血潮を灯さん


私さえ 人間らしく いれたなら
アナタの悪魔も 天使のままで


裁けるか 君にこの僕が 裁けるか
偽善の薔薇が 見事に枯れた


欲情に よく似た慕情は 時として
人をも神をも 狂わせ墮とす


救い無き 海へと広がる 大空は
色無き鮮明 一つに忘却


神の下 盗聴イコール 義務ならば
弛(タユ)まぬ自傷に 事実を見出す


幼子に システマチックな 言語被爆
積み重なるは 罪と咀嚼(ソシャク)音


踏みにじり 欺瞞(ギマン)にかまけた 命燃やす
意味も知らずに 壊され沈む


恐怖さえ 知らぬ君見て カナリアが
爆弾咥(クワ)え 大空蹴った


雪降れば 破滅願望 募りゆく
白銀世界に 渦巻くオアシス


羽ばたけば 生まれ変われる ものならば
報復の旗 靡(ナビ)かせ往こうか


逡巡(シュンジュン)の 篝火(カガリビ)持って 相対す
この今しかない 葛藤紡ぎ


熱き視線 清廉無欠の 春模様
空前絶後の 屍甘く


手を翳(カザ)そう 今この慕情で 解き放とう
知らず知らずの この航海で



【小さな質量】


疎ましい 人と言う名の 荒唐無稽
平和を謳う 無知な獣(ケダモノ)


非道さに 飛び交う咆哮 喘ぎ声
最後の景色 一体何色


母親の 耳ぶら下げて 子供達
奔走すれば 人喰いピエロに


満月に 子らが捌かれ 泣きじゃくる
晴れも曇りも 分からぬ夜の夢


夥(オビタダ)しく 流れる憎悪 正当化
数え切れない 無意味な笑顔と


蔓延れば 光差し込む 曇天に
卯月の花が 優しく笑った


瞳さえ 潰してしまえば 楽だろう
最後の君しか 見なくて済むから


営みも 創造的な 排泄で
腹を括れば 愛情表現


布団から 母の涙と 父の怒号
耳を塞げど 幸せ戻らず


何もかも 全てが崩壊した今日は
奇しくも僕の 誕生日だった


嫌ってよ 忘れておくれよ この僕を
重たい優しさ 今絶望へ


乱暴で 強気な僕が 夜目覚める
心の裏の裏にいるボク


何よりも 弱くて貧しい 心が苦手
疑い続ける 私の心が


劣等感 溢れ出んばかりの 嫌悪感
今日も番いは 声上げ踊る


平等に 遺伝子構造 酒池肉林
何事も無く 薄暗いマホロバ


雨音に よく似た喘ぎ声と嘘
怯えた快楽 塗れ滾(タギ)った


僕からの 愛され方を 知っている
ただそれだけを 君は知ってる


拒絶した ゆらめく現実 まるで嘘
崩れる音さえ 夢や幻


失った 僕の形をした人形
気付いているかな 狂った時よ


異口同音 五十歩百歩の この世界
結局同じ 穴の狢さ


人と人 共喰い愚かな 罪悪感
同じ笑顔も 非道(ヒド)く寂しく


化け物と 度外視された 命の重み
もうあの人は 戻っては来ない


信頼と 優しさ翳(カザ)す 加害者が
英雄気取りで 被害者吊るす


さようなら そしてまたいつか 逢いましょう
正義 即ち 悪の淫らさ


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