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カナヘビを自然に帰した話

こんばんは。りょうへいです。

今、noteを書く気力が恐ろしいほど湧いてきません。

そんな時でも淡々と書くことは出来るのですが、諸事情あって本日は本気でやる気が出ません。

こんな時は生き物の話をするに限ります。

ということで、小さい時飼ってたカナヘビの話をします。

最初にお断りをしておくと、タイトルを見て、この話は少年の優しい物語だと思った方は、そっとこのページを閉じてください。

ただのサイコパス小学生が不本意ながら自然にカナヘビを帰してしまった話をします。

小学校低学年の時、私の家では二匹のカナヘビを飼っていました。

正確には私の兄が飼っていました。

4つ年上の兄は生物が大好きで、他にもクワガタや亀など沢山の生物を愛でる心やさしき漢でした。
当然ながら兄はカナヘビのことも非常に愛していて、それぞれ【もうチャン、ケロ吉】と言う名前をつけて日々餌のバッタ採りを怠らないほどの好青年でした。

そんな折、私は見てしまったのです。生物図鑑を。

様々な生き物たちの生態系が満載されている生物図鑑の中には、当然ながらカナヘビの生態系についても書かれてあり、どうせ家にいるのだから私も覗いておいたほうが良いなと思い、見て見たのですが、そこには衝撃の事実が記されてありました。

”カナヘビは、身の危険を感じると尻尾を切って逃げます。しかも、その尻尾はまた生えてきます”

ドラゴンボールで一番好きなキャラがピッコロさんと言うくらい再生系の何かに強い憧れを持っていた私は、その事実に超感動をしたことを今でも鮮明に覚えています。

そして決意したのです。

「しっぽ、切ったる」

と。

今思えばただの残忍な小学生なのですが、当時は決行の日を心待ちにして夜も眠れなかったのです。

そして決行当日。

学校からまだ帰ってきていない兄の目を盗んで、私はカナヘビを空き地に連れ出すことに成功しました。

ハサミで切ることも考えたのですが、【危険を感じると自分で切る】と言うワードに強い魅力を覚えた私は、尻尾を足で踏んづけて勝手に切るところを見たかったので、しっぽの処刑場を空き地に設定し、尻尾だけを踏んづけて自分から切る瞬間を見たかったのです。

この時、慎重に二匹のしっぽだけを踏んづけ、その時を心待ちにしていた僕に、カナヘビにとっての軌跡が訪れます。


「りょうへいクーン!アソボー!」


近所のお友達のけんた君がたまたま通りがかり、私を遊びに誘ったのです。

小学校低学年の私に同時に二つのことを処理する力はなく、「いいよー!」といってけんた君のもとへ駆け出していったのです。

そこで初めて私は、カナヘビを二匹とも逃したことに気がつきました。

「あ」

戻って見たものの、そこにカナヘビの姿はもうありませんでした。知っている人ならわかると思うのですが、カナヘビは超早いです。

小学校低学年の私ごときが対抗出来るスピードではありません。

空手を習っていた超強い兄に殺される危険を感じた私は、泣きながら必死にカナヘビを探しました。ちなみにけんた君は最初の2分だけ一緒に探してくれて、ソッコー帰りました。

でも、もうどこにもカナヘビはいませんでした。

そこで、私はあることを思いつき、空き地で発見したカマキリを二匹捕まえ、元カナヘビの住処の虫かごに入れておきました。

そして兄帰宅。

「いない、どこ行った!りょうへいなんか知らない!?」

二人兄弟なので容疑者は当然私しかいません。と言うか私は容疑者ではなく紛れもない実行犯です。

私はとっさに先ほど思いついたことを兄に伝えました。

「なんか、虫かご見てたらカナヘビ脱皮して、カマキリになってたよ!脱皮した皮は食べちゃってた!」

こうして晴れて私は兄にボコボコにされ、その日以来、クワガタや亀は閲覧すら許されないと言う生物を愛でることを許されない小学生となったのです。

言い訳を考えるときは生物図鑑をもっと見ておこうと思った小学校低学年の時のお話でした。





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