断末魔は与党?それとも野党?
盛山文科大臣の不信任決議案が提出され、当初予想の通り、与党その他の反対によって否決された。
国会質疑において執拗な追及を受けてきた盛山大臣は、一部認める場面もあるが、結果的に大臣を辞任するまでに至る必要がないと判断された形だ。
今回の盛山大臣不信任案を提出した背景には、立憲民主党が与党自民党に揺さぶりをかける目的と、自民党政権への不信感を蔓延させ、政権交代を狙ったものであるとの見方もあるが、実際にはそこまでの意図は無かったと考えられる。
確かに、この2ヶ月で4閣僚が辞任に追い込まれた岸田政権は、岸田総理の任命責任も含め、足元が大きく揺らいでいる印象は拭えない。
加えて、昨年末の報道をきっかけに、自民党内派閥の政治資金問題がクローズアップされ、野党やマスコミはいかにも自民党が金権政治まみれであるかのような印象操作に終始していて、今国会においても、自民党の対応を厳しく追求する様子が国会中継等で行われている。
一方、野党議員の中にも、公職選挙法に抵触疑いが極めて高い金品提供事案が報じられることになり、与野党ともに、政治資金規正法、公職選挙法において同じ穴のムジナであることが明らかとなっている。
今回、盛山文科相を辞任に追い込もうと画策したのは立憲民主党の安住淳国対委員長だが、自党の議員の問題については、「不注意だったかも知れない」と述べるにとどまっている。「隗より始めよ」は、どうやら立憲民主党の辞書には書かれていないようだ。
これだけ政治家のお金の問題が取り沙汰されている中、野党とマスコミは実態解明をしきりに取り上げようとする。しかし、問題の本質はそこだろうか?
政治資金規正法自体は、2008年の改正により、現在の法体系になった。しかし、そもそも政治資金規正法事態を利用しようとする企業も政治家もいたわけで、つまり、「利」と「権力」を自由にしたい者が、この法律を悪用してきた。これは言い換えれば地元の支持者にも政治家を利用するという意図があったと解釈すべきだろう。つまり、政治資金規正法はあたかも政治家を取り締まる法律のように見えるが、実は有権者を取り締まる側面も整理をする必要がある法律の一つなのだ。
つまり、政治資金規正法の概念を見直す時期が来ていると考えるべきだろう。
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