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「パレスチナ人は可哀想」と言いたい人たちとは?

イスラエルとハマスの戦いと世界の反応

10月7日、ガザ地区のテロ組織ハマスとイスラム聖戦がイスラエルに向けて大量のロケット砲で攻撃し、陸海空からイスラエル側に侵攻したことが世界に報じられた。
これに対し、イスラエル側は徹底的にテロリストを殲滅すると戦争状態に突入したことを宣言した。
これを受けてこのまま第三次世界大戦が勃発するのではないか?と言う懸念が世界に広がっている。
世界ではイスラエル側に立つのかパレスチナ側に立つのかで真っ向から対立する形になっている。世界中には20億人のイスラム教徒がいるが、ハマスをはじめ過激派の一部は世界のイスラム教徒に蜂起を呼びかけていて、一部のイスラム教徒がそれに呼応してデモや集会を行っている。
欧米各国では労働力不足を補うため、大量の移民を受け入れる政策をとってきたが、一度、今回のような宗教問題に関わる紛争が起きると、世界の様相は大きく様変わりする。こういった暴動等を起こすのは、一部の勢力だと指摘する人もいるが、しかし、今のEU諸国のように市民生活に支障をきたすような事態になれば話は変わってくる。ましてや、過去にテロ活動を行ってきたハマス、イスラム聖戦、ヒズボラ、ISIS、タリバンといった名前を上げて、聖戦と称して暴れ回られると、移民受け入れの是非についての議論が噴出するのは当たり前過ぎるほど当たり前の話だ。
経済活動を目的に移民として他国に行くなら、行った先の国の国民、文化、風習、教育、政治を尊重するのが当然であるに関わらず、イスラム教徒の一部は、自分たちの風習や文化までも他国に押し付けようとする。それで移民として受け入れられる筈はない。

第三次世界大戦と宗教戦争

私はイタズラにイスラム教徒を批判する気は毛頭ないが、その一部のイスラム教徒や原理主義者が他国で行っている蛮行が、イスラム教徒のイメージを作り上げていることに間違いはないだろうと思うのだ。世界の人口は、キリスト教社会とイスラム教社会に二分される。日本のように国教が無い国の方が珍しく、かのソヴィエト連邦でさえ、ロシア正教を完全に消し去ることは出来なかった。中国が共産主義社会だと言っても、全ての宗教が消え去っているわけではない。
以前の拙稿で第三次世界大戦が宗教戦争になる可能性を指摘したが、今、世界中で吹き荒れているイスラム教徒の暴動は、まさにキリスト教社会への反発に見えはしないだろうか?それはどちらが正しいと行った安直な議論ではなく、過去、中東を中心に行われてきたキリスト教とイスラム教の対立が現代に蘇っているかのような印象を受けるのだ。
その価値観の相剋は、2000年間の対立の表面化とも言える。
少なくともキリスト教文化が醸成されてきたのは主に先進国であり、新しい技術革新や文化が育まれてきたのもキリスト教国中心であった。イスラム教はキリスト教徒同じく中東で生まれたものではあるが、歴史の中で先に生まれたか後に生まれたかの違いだけで、ヨーロッパ社会に根付くスピードが違ったのかも知れない。ただ、同じ一神教であっても、生活様式の違いが大きく影響したのも事実だ。
では先進国を中心にしたキリスト教的価値観の人々は、今のイスラム教過激派とイスラエルの対立をどのように見ているのだろうか?
欧米でパレスチナ擁護をする人の多くは、イスラム過激派は確かに問題だが、イスラエルは強力な武器を使い、虐げられているパレスチナの人々を攻撃しているではないか?と言いたい人が多いようだ。
果たして本当にそうだろうか?

パレスチナ人は可哀想な人たちか?

かねてから言われているように、ハマスをはじめとする中東問題に関わる過激派の多くは、当然だがそれ自体では過激派の思っているような暴力による政治体制の変更などということは無理だ。背後に資金提供する国家なり組織がなければ、過激派の目的を完遂することはできない。
パレスチナ国民は1947年のイスラエル建国以来、自分たちはユダヤ人に虐げられていて、元々そこで生活していた我々は土地を奪われたと訴えている。
それ自体は間違ってはいないし、イスラエル建国を許さない過激派が、パレスチナ問題を暴力によって解決そうとしてきた。また、中東はイスラム教の派閥争いの側面もあり、シーア派、スンニ派をはじめとした派閥が長い歴史の中で争いを行ってきた。それが、より中東問題を複雑化している。一方、イスラム教の聖地を抱えるサウジアラビアは、他国に無い原油を持っている強みがある。
中東問題の中心であるパレスチナとイスラエルの問題は、民族紛争として、イスラエルとバックにいるアメリカが可哀想なパレスチナの人々を強力な武器で虐げているという構図を表向きにしているが、その表向きの綺麗事の裏に、イスラム教の派閥争いと石油と天然ガスの莫大な地下資源を巡る争いでもあることを忘れてはいけない。
過去、先進国が中東問題に足を踏み入れた歴史の背景には、常にエネルギー利権の確保という問題があった。日本とて例外ではなく、地政学的にも宗教学的にも直接的に中東との関わりが無い日本だからこそ、どちらにも偏ることなく日本経済のためのエネルギー資源確保を可能としてきたのが、これまでに日本であった。
勿論、日本にもパレスチナ人擁護の声が無かったわけではないが、日本の場合は60年代、70年代に社会を揺るがせた学生運動とそこから生まれた過激派の問題が大きい。学生運動を主導してきた連中は、戦前戦中戦後と共産主義革命思想に被れた先達の影響を受け、共産主義こそが理想の社会を実現するというまやかしに乗せられた結果、暴力革命による社会の転覆を狙って犯罪行為が繰り返された。
戦後復興から高度成長期を経た日本にとって、学生運動で訴えている左翼思想に、何の興味も湧かなかったどころか、所詮は現実社会を知りもしない学生が、おままごとをやってるだけだと知っていたというのもあるだろう。
まして、それらの時代を経ている筈の日本において、未だ共産主義に騙されている人が一定数いることは、もっと問題視されていいものだ。
ここでは多くは触れないが、共産主義は教育、法曹、メディア、宗教に入り込み、常に日本を左翼思想で埋め尽くそうとしてきた歴史がある。
その歴史を知っているはずの高齢者ですら、未だ、革命思想を訴える人がいることに驚く。

パレスチナ人は本当に可哀想な人たちか?

話を元に戻すと、今、世界中でパレスチナ人に同調している人たちの多くは、世界各国で移民として生活している人たちだ。中でもヨーロッパに渡った中東のアラブ系の人たちと北アフリカのイスラム教徒が多い。
彼らの中には不法移民も多数含まれ、日本でも見られるように、観光ビザ等で入国し、先に渡って仕事を行っている人たちの下で仕事をし、観光ビザが切れた瞬間に難民になる。それらはまさに法の網の目を盗んで行われていることで、難民だと言いながら、行った先の人々より裕福な生活をしていたり、当然のように納税を行わなかったりしている。
それらは実に不公平なことではあるが、それを批判すると、差別だの人権侵害だのと騒ぐ人たちがいる。
移民であるなら、法に基づいて移民申請をすればいいし、その国で仕事をして生活したいなら、その国の法律に従って納税し遵法意識を持った生活をすればいいと思うのだが、糾弾されると自分たちは虐げられている人だと言い、またそれを擁護する人たちが出てくる。
この日本においておやである。
数年前から入館施設に留め置かれている人たちの人権を問題視するのは、決まって左翼政党だったりその支持者だったり、あるいは左翼思想を前面に打ち出したメディアだったりする。
同様に彼らはパレスチナの人たちが可哀想だと訴える。
人道的にはそうかもしれないが、この人たちの多くは、イスラエルが戦っているのはパレスチナだと思っている。これは大きな誤解で、私は幾度もいろんなとこで書いてるが、イスラエルが戦っているのはテロリストだ。また、イスラエルが住宅地を爆撃してると言うが、イスラエル国防軍はピンポイントで攻撃先を絞り込み、しかもそれを動画付きで紹介してる。多分、そんな情報すら観てはいないだろう。つまり、彼らが信じたいのは、泣き叫びながら逃げ惑うパレスチナ人の様子であり、それのみがこの世の出来事だと信じたいのだ。
そして、そんな可哀想なパレスチナ人を可哀想なままにしておきたい人たちがいることを、決して忘れてはいけない。

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