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朝井リョウ「正欲」感想

🐳あらすじ
息子が不登校になった検事・啓喜。
初めての恋に気づいた女子大生・八重子。
ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。
ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。
しかしその繋がりは、""多様性を尊重する時代""にとって、ひどく不都合なものだった――。
「自分が想像できる""多様性""だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな」
これは共感を呼ぶ傑作か?目を背けたくなる問題作か?


🐳感想
作家デビュー10周年の作品。
「桐島部活やめるってよ」から読んでいて、サイン会にも行ったことあるほどファンなので楽しみにしていました。

結論から言うと"正欲"は10周年に相応しい素晴らしい作品だと感じました。
作品にもよりますが、登場人物を通して読み手に"気持ちよくなってるそれ、偽善だから"と突きつけてくるのが朝井リョウだと思っていたのですが(何者なんて後半10ページ以上に渡って殴りかかってくるもんね、許さん朝井リョウ)、今作はそれの真骨頂なのかなと思いました。

社会や人間関係を俯瞰で見ることから、最近は生きることにフォーカスしてるところが面白い作家さんになったなぁと(何様だよと思いながら)感じました。
物語の中の正義の象徴である人物とマイノリティというのも憚れる人物が対峙するシーンは見事…


作家10周年おめでとうございます。これからもファンでいさせてください📖!

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