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山口周さんキーノートレポ @Slack Workstyle Innovation Day Online

今起きている働き方の変化は何か?

持たないといけないマインドセットは「グレートリセット」、つまり、全てリセットして物事を考えること。

これから考えなければならないのは、「ニューノーマル」ではなく、「ノーノーマル」である。

①仮想空間シフト

仮想空間が仕事の標準スペースになる。

「週に何度行く会社か?」が職場選びの要素になる。

働き手としては、「自分がどんな働き方をしたい人なのか?」を明確に自己認識する必要がでてきている。

積極的にオフィスで交流したいタイプか?自宅で仕事したいタイプか?

アンケートでは、週1~2回くらいが7~8割くらいを占める。週5日働かせる企業の


②コンピテンシーポートフォリオの変化

人材要件の変化。人にどんな能力を求めるか?が変わる。

仕事能力における物理要素の減少と抽象要素の増大。評価の結果も激変の可能性。

これまでは、オフィスでadhocに話していたが、テレワークだと目の前にいなくなる。部下を束ねながら、望んでいる結果を求めるか。

スケジュール管理や能力の見極め方、コミュニケーション方法などすべて変えないといけない。

上司には、部下の能力を正確にestimateするスキルが求められる。プロセスマネジメント大事。


③マネジメント能力の二極化

仮想空間シフトで生産性が上がる人、下がる人に二極化。

▼マイクロソフトのテレワーク導入事例
これまで能力の高かったマネージャーのチームは、生産性は上がった。これまで成果の低かったマネージャーのチームは、生産性が下がった。

つまり、仮想空間ではマネジメント能力が二極化する。

いつまでにどんなアウトプット出すべきかを伝えて、任せられるマネージャーだと、部下の生産性は上がる。

一方、指示が不明確であやふやに任せていると、部下の生産性は下がる。

▼モチベーションマネジメントの観点

物理空間に集まると、モチベーション低くても何かしらは仕事する。一方、仮想空間では、モチベーション低い人は徹底的にサボるようになる。監視はできなくなる。圧力型のマネージャーのもとでは、みんなサボるようになる。

部下のモチベーションを引き出せるマネージャーのチームでは、リモートワークは理想的な環境。細切れの時間を自由に仕事に使えるので、パフォーマンスがあがる。


④組織におけるダイナミクスの変化

「空気を読む」ことができなくなる。日本企業においては「空気」は非常に大きな役割を果たしている。

例:会議で偉い人が無言で頷く、など

仮想空間には空気はないので読めない。アイデンティティを消去する会議も可能。最終的には、誰が発言したのかわからないなかで会議もできる。空気を読むことがコンピテンシーだった人は、厳しくなる。

空気を読んで調整役をするよりも、意味のある意見を発せて、知的生産物をシャープにアウトプットできる人のほうが成果を出せるようになる。

忖度を考えるのではなく、正しい意思決定にフォーカスする。


⑤ライフスタイルの多様化

週何日会社に行くかが個人の自由になった時点で、都市部に住む必要はなくなる。どこに住むか、何をするか、誰とやるかにつちえ自己決定が求められ、都市に住む必然性は消失する。

個人としてどういう人生を生きたいのか、誰を仲間にしたいのか。

企業側としては、「当たり前」がなくなる。週5日働く前提で会社の近くに住むのは当たり前、というような価値観はなくなる。

→多様性が生まれる

「ニューノーマル」自体がオールドノーマル。「ニューノーマル」は「ノーノーマル」である。

本人にとって有意義ではないような仕事を提供している会社は、採用競争力はなくなる。マネージャーにとっては、部下にとって意味のある仕事を作れるか、が大事。


⑥企業の地理的多様性も増加

働き方の多様化に合わせて、企業はどんな働かせ方をするのか、をリセットして考える必要がある。

ただ単に便利という理由で東京にオフィスをもつ意味がなくなり、場所選びが企業のアイデンティティを表すように。

オフィスに出社必須で顔を合わせることを重視するのか、どこでもいいのか。

企業として、どんな哲学を持っていて、一貫性のあるメッセージを従業員に対して発せているか?を改めて考え直す必要がある。良い悪いではなく、その哲学が好きであれば勤めればいいし、嫌いであればやめればいい。

オフィスをどこに置くのか?出社日は何日か?評価制度は?人事制度は?など一貫した哲学が求められる。


⑦仕事選びの要素も変化

職場選びの「人が好き」「場所が好き」要素の重要性が低下し、職務そのものが重要に。

物理的接触はなくなるので、物理要素は重要でなくなる。職務そのものや、その会社が成し遂げようとしている理念や課題解決への共感がより重要に。

ミレニアル世代には、こういった要素は重要視されていたが、それが加速する。

定期的に飲みに行ったり、ランチに行ったり、が習慣としてある会社であれば、気の合う仲間と働くのは大事な要素。仮想空間ではそれがない。

マネージャーや、経営者が「社員が夢中になれる仕事」を与えられるか?が根本的に重要。


⑧学習格差の拡大

研修やコーチング、ティーチングといった場面以外にも若手は学習する。上司の立ち話や先輩の電話を聞いたり、打ち合わせに同席したり。

多くの場合は、実務空間において、偶然の出会いによって学習している。仮想空間では、そういった場面は損なわれる。

企業としては、従業員をどのように育成するのか?をちゃんと検討して、従業員に対して介入することが求められる。

従業員は、自分で学んでいく必要がより重要になっていく。自学できる人とできない人の差がよりつく。


⑨メンタルの二極化

人間は社会的な動物なので、コミュニケーションを好む。話すことで、精神のバランスをと整えている。

孤独体制のある人は生産性が上がる、楽しくなる。低い人の職場満足度は低下する。


最後に

改めて、これからは「ノーノーマル」である。これまでの当たり前は当たり前ではなくなる。ゼロから考え直す必要がある。



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