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(特に世に出る前の)クリエイターの方々に向けて伝えたいこと - マネージメントの考え方

たまに耳にする話で、インディーやフリーで活動している子なんかが、「まずは集客(フォロワーを増やしたりも含む)を頑張ろう」みたいな助言を業界関係者に言われるという話がある。
僕は、これはゴミみたいなアドバイスだと思っている。

もちろん集客することは大切だけれど、デビューもせず活動している子たちには、幅広い宣伝のツールやネットワーク、宣伝資金は基本的にはない。
というか、それを増やすのが関わるスタッフのそもそもの役割だ。
大きくなったものを自分たちの手柄のように金魚の糞みたくくっついて関わるような人たちなら、そもそも関わらない方がいい。

クリエイターの子は、前出のアドバイスを真に受けて集客に悩むくらいなら、もっと練習に時間を使った方がいいし、もっと良い曲やコンテンツを生み出すことに注力した方が健全だ。

しかも今の時代、自分の音楽を自分で発信することがどんどん容易くなっている。
良い音楽が生まれれば、楽曲と自分自身の力でそれが遠くに飛んでいく可能性もあるし、もしくはそれを届けたいと思う誰かがきっと発見してくれて、そこから何か始まるはずだ。

今はお客さんがゼロでも(というか、基本的にはみんな最初ゼロ)、その才能が世の中に発見されていき、世の中に繋がっていけば、自ずとその問題は改善される。

お客さんがほぼゼロだったグループが、日本で一番大きい会場である日産スタジアムでライブを行ったのがその証拠、その過程を僕は一番真横で見ていた。

良い作品、魅力のあるクリエイターに、必ず人は集まってくる。
人を集めるために時間を使い、それに執着する、みたいに順番を勘違いすると本末転倒で、確実に迷走する。
一瞬うまくいっても、すぐに息切れを起こす。
焦って作戦から入ることはただの応急処置でしかないから、自分の不安を安心させるだけの一時的な自己満足にしかならない。
お客さんは、もっともっと先で、待っている。

良い作品がそこに存在すれば、それをどんどん世の中に届けていくだけ。
世の中に広げることはクリエイターが創作の時間を削ってまで必死にすることではなく、関わったスタッフがするべきことだと、僕の考えとしては思う。(勿論、時に納得してもらった上で協力してもらうことも必要だけれど)

もうひとつ、世に出る前のクリエイターの子にもうひとつ身につけて欲しいことは、「人を見る目」だ。

恥ずかしながら、怪しい人、無責任な人が比較的多いエンターテインメント業界。
世に出ることを目指して努力している子たちは、いろんな業界の人との出会いがあると思う。
特に一番最初のコンタクトは、きっとかなり舞い上がりたく気持ちになるだろうと想像がつく。

最初はわからないかもしれないけれど、何人かの人に会っていくと、いろいろ見えてきたり、自分にとってのベストはこの人!みたいに自然と絞られていくはずだ。
でも、絶対に焦らずに、慎重に相手を見極めて欲しい。

最終的に自分が選んだ決断で、自分のチームやキャリアが出来上がっていく。
その見極めを間違えると、才能を存分に発揮出来ず、仲間が増えたはずなのに活動に悩むということにもなりかねない。
才能ある子の貴重な時間は、そんな無駄とストレスで過ごして欲しくない。
だったら、どんどん良い作品をフルパワーで生み出して欲しい。
自分の見る目のひとつひとつで、これから作られる未来の道筋は大きく変わる。
正しい判断も、間違った判断も、進んだその先にその選択の未来が作られる。

そして、出来れば会社の名前の大きさより、信頼出来る人を見つけて欲しい。
最終的には、「人」と「人」との関係。本質を忘れず、大切に。
責任を持って、自分の才能と可能性を信じて、尽力してくれる人をパートナーを見極め、自分の才能を大切にして欲しいと、僕は思う。


才能の原石、世の中に届くべき楽曲や存在を、自分に出来る最大限見逃さないで僕は出会って、発見していきたい。

そして、自分自身が誰かの才能を無駄にするようなクソみたいなマネージャーに絶対にならないよう、謙虚に、丁寧に、真摯に努めていきたい。

https://twitter.com/Ryota_Shishido ラストラム→TOKYO FANTASY→RED 主に音楽関係のマネージャー 新しい才能との出会いを求めています。 音源やプロフィールはツイッターのDMかinfo@red.jp.netまでお気軽にお送りください!