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ぼくは恩に育てられる

みなさんからのサポートで、第三回教養のエチュード賞の賞金総額が81,500円になりました。心より感謝いたします。

コンテストの主催はぼくだけど、たくさんの人に支えてもらって、自分には出せない力が動き出していることに驚いています。それは一回目も、二回目もそう。小さな物語をより合わせて、一つの大きな物語を編むように。

noteをやっていない人から「嶋津さんのあの教養のエチュード賞って、何であんなに賞金が増えていくんですか?」ってよく聞かれます。その度に「おもしろくて、あたたかくて、粋な人に囲まれているんです」って答えています。やっていない人には伝わりづらいだろうなぁと思いながら。案の定、要領を得ない表情をされます。

でもね、それって本当のことなんです。

この場所で生まれた人間関係。文章を書いたり、読んだり、読まれたり。互いの中に流れる物語が確実にあって。それは、頼ったり、頼られたり、迷惑をかけたり、かけられたり、も含めて。全てが洗練されているわけではなく。時には泥臭いやりとりもある中で。育まれていく物語がある。

別にサポートばかりじゃない。力のある作品を届けてくれることもそうだし、「こんなことやってるよ!」ってみんなに知らせてくれる人もいる。一つひとつの作品を素敵なことばで紹介する人もいたり。その全てに、ぼくは心を動かされていて。こてんぱんにやられるわけです。

この「こてんぱん」が大切で。それを受けるたびに、「ああ、ぼくももっとしっかりしなくっちゃ」と思い知らされる。「しっかり」というのは、「人にやさしく」だったり、「相手を尊重する」だったり、「たくましく」だったり。それは生々しい痛みで。でも、確実にぼくを成長させてくれる。

恩返しができる相手がたくさんいることって幸せだと思うんです。手を差し伸べてもらった経験は、人を強くさせる。特に「生きるためのカレー」で、救ってもらったことは、ぼくの人生で大きなできごとでした。「これは本当に、たくましくならなきゃいけない」って。その時、覚悟を決めたんです。ぼくは、この時手を差し伸べてくれた人に絶対に恩返しするし(どのような形になるのかはわからないけれど)、それがぼくのライフワークだと思っているから。

今回、教養のエチュード賞を応援してくれている人もそう。その覚悟が訪れるたびに、ぼくは強くなる。楽しいんです。うれしいんです。

物語はストーリーからナラティブへと変化していて。ぼくは「ナラティブ」に興味がある。ダイアログ(対話)・デザインはきわめてナラティブなアプローチです。

本来コンテストというのは、主催者側の「選ぶ人」と、作品をつくる「選ばれる人」というシンプルな関係性で。受賞者に脚光が浴びることで一つのストーリー(物語)ができあがります。

ぼくの場合、「教養のエチュード賞」という「場」をつくり、そこにたくさんの人が関わってくる。サポートする人、広めてくれる人、参加する人。それは「選ぶ人」と「選ばれる人」という関係性だけでなく、参加した人同士の間でコミュニケーションが生まれたり、思いもよらない展開をみんなで体感したりして形が変わっていく。関わってくれた人それぞれの中で物語が生まれていく。それが冒頭に言った「小さな物語をより合わせて、一つの大きな物語を編むように」ということなんです。その在り方をぼくはナラティブ(物語)と定義しています。

とても対話的です。「賞金一万円」というテーマも何もないコンテスト。そのシンプルで不思議な「場」に関わる人が増えていくことで、一緒に物語を編んでいく。ぼくからの「投げかけ」が主にあるのではなく、「反応」の方に価値がある。とてもおもしろいです。


正直、これから先、どういう形で終結するのかはわかりません。決まっていることは、グランプリの人が81,500円を手にするということです。

そんな第三回教養のエチュード賞の締切は明日(10月31日)までです。


【1000文字の手紙】

応募作品にお手紙を書いています。ここから生まれる物語もある。とても楽しいです。


【知性の交換】

最近になってまた問い合わせが増えてきました。再度募集します。ご興味のある人はご連絡ください。本と手紙を交換しましょう。ずいぶんと本棚も貫禄が出てきました。



「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。