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「悪口の良いところ」とは【#言語化れんしゅう】

「悪口の良いところ」について考えてみました。

突き詰めてゆくと、ユーモア(笑い)に昇華させることができる。悪口は知的な営み、鋭い批評眼が求められる。人のモヤモヤを言語化することで、驚き快楽を与えることができる。本質を突くため、よりダイナミックなコミュニケーションとなる。が、受け身の技術を身につけていなければ危険。

嶋津(X)

これは、わたしの考える「悪口の良いところ」の印象。他の人はどういうことに「悪口の良いところ」と捉えているのかと思って、Xで問いかけてみました。

今回は少し難しい問題です。あなたの嫌い(苦手)な人をイメージしてください。その人の良いところを一つ挙げるとしたらどこですか?

以下、届いたみなさんの「悪口の良いところ」をご紹介します。

みなさんのお答え

【1】

自分の嫌な価値観を明確にできるところでしょうか。反面教師にして、自分を正すことができるとか。

嫌な価値観を明確にし、反面教師にもできるところ。

【2】

気の利いた(相手を適度に煽れる)言葉を選ぶ為に相手のことを深く見て知る所ですかね。 だから、ケンカの後は仲良くなれるみたいな所があるのかなと。

悪口って本質的ですもんね。観察力、洞察力も磨かれるし、表現力も求められる。知性が必要になる。あと、悪口がきっかけで親密になれることも。

【3】

取り繕っていない自分に気付けるところですね。 普段口にしないよう気をつけているだけで、自分も悪口を考えるただの人なんだなぁと。

取り繕っていない、自然体の自分に気付かせてもらえる。

【4】

「自分の鏡であるところ」と気づくことができたら、いいところになりそうですね。なかなか自分のことは見えませんが。このシリーズ、哲学対話のようで面白いですね。開いてくださって、ありがとうございます。

自分の鏡に気付けること。確かに、「嫌だ」の裏側には自分がいますよね。ありがとうございます。そして「おもしろい」と仰っていただいてうれしいです。

【5】

悪口を言った分、自分の愚かさに気づくこと。

愚かな自分に気付ける。メタな視点。

【6】

腹に抱えて悶々とする感情を吐き出すことで陰湿なタブー化を回避できる点。むしろそれくらいしか無いとも言える。本人のいる場所においてのみ成立する限定つき(バレないように言ってたらそれは悪口じゃなく陰口です)。副産物として悪口にすることで自分が抱いた否定的な感情を根幹を認識できる点。

陰湿なタブー化を回避。あと、自分の否定的な感情を認識できる。

【7】

心底、心を許していて信頼できる友人に自分の抱えている負の感情を聴いてもらうことによって、ストレスを抱えずに健全な心を取り戻してまた日常生活を送ることができることです。逆もまた然りで、自分が聴く側になることもありますが、他言しないことがポイントと思います。

信頼できる人に聴いてもらうと健全なこころを取り戻すことができる。溜め込んでいては苦しさは重たくなっていくばかりですもんね。

【8】

悪口を通して「人に否定的な感情を抱いたとき、悪口を叩くことを選択する価値観」の人を明らかにする点です。「悪口の選択」は発露の形のひとつに過ぎません。悪口から得られる1番重要な情報は、それを口にする当人の気質、それ自体です。以降は相手との関わり方を考え、リスク回避につながります。

価値観の発露。仰る通り、あらゆる発言は自分の自己紹介でもありますよね。そこから見えてくるものがある、と。

【9】

悪口は羨ましいから出る言葉。お相手が自分より優れている事を認めているからこその悪口なのかなぁと思います。

自分の嫉妬心が見える。自分のことをより深く理解できる。

【10】

実はその人の事が気になっているので、希薄は人間関係という点からみれば、それが防がれている。 悪口は、こうであって欲しいという思いの、悪い表現だと思います。

悪口は、願望の現れである。

【11】

許容の限界を共有出来たり、時には強くまたは大きくなり過ぎるものへの盲信を疑ってみたりできること。

許容の限界を共有できる。妄信を疑える。

【12】

反面教師として、自己反省する。悪口を言ってストレス発散にもなるので言いましょう、そして、良い所を見つけてプラマイゼロ。には程遠いかもしれないが。

自己反省を促せたり、ストレス発散になる。

【13】

そもそも、人類の創造性は悪事にこそ発揮される。

悪事からクリエイティビティは生まれる。

【14】

相手からも自分へ距離を置いてくれることじゃないかなぁって思います。「この人、苦手」と思って距離を取っても気づいてくれないから距離が取れない。「あんた、無理だわ〜」って言うとイヤでも相手は気づくからです。

悪口は、相手との防壁になる。

【16】

コミュニケーションツールになり得るところでしょうか。 自分はあまり言わないですが、相手の悪口は(あまり深刻にならずに)聞くようにしてます。 本音や気持ちを話してもらうことで仲が深まる気がします。

確かに、コミュニケーションツールになりますね。そこに本音が見え隠れしていたりする。より深い話になることもある。

【17】

悪口から自分がどういう部分を嫌と感じるか、分析できるところです。

自己理解が深まるきっかけとなる。

【18】

英語圏の皮肉ジョークとかでもみてきたら自力で気づけると思う。自ら学ばず教えを乞う謙虚な貴方は素晴らしい。

いい皮肉がやってきた。悪口には知性が要るね。こういうの、こういうのもうれしい切り口です。

【19】

傷ついてる自分に気付ける。正直な気持ちに嘘をつかないで、自分の確立になり、相手との棲み分けにもなる。自他の整理。 ないものとして扱うと、臭いものに蓋をしているから、膿みたいに垂れ流れて濁っていく。 川の流れの出口に大岩置いて堰き止めるようなことになって、汚れるから出すのは大事。

自他の整理になる。ちゃんの吐き出さないと、内側で膿になってしまう。悪口として排泄することは大事。

【20】

悪口を言おうと考えると、その対象(相手)に対して自分が抱いている不満、イヤ、怒りなどを言語化する必要があるので、 その感情を整理するのに役立ちます。 実はその原因は自分の方にあった! 相手に悪口を言う?言わない?の選択。相手に直接言わないのなら、安全な場(相手)に愚痴をきいてもらうのか?遊びに行ったり美味しいものを食べるのか? など次の工程に進みます。

……という一連を 「悪口はいけないもの」としてフタをしてしまっていると 自分が何に不満、イヤ、怒りを抱えているのかも、無自覚なまま不機嫌を垂れ流すことになるかと思います。「愚痴を愚痴と自覚せずにぶちまける」だとか「からみ酒になりがち」だとか、様々な症状が出るんじゃないかと。 なので悪口は“無いもの扱い”“ナイナイする”をしたらダメだな、と考えます。

悪口を内側に留めていると不健全。無自覚に邪悪なものを垂れ流すことになるので、ネガティブな感情に蓋をするのではなく、排泄することが大事。

【21】

もちろん用い方によりますが、悪口のいいところはセルフケア的な一面だと思います。思考の整理とか、ストレスの緩和、あるいは自分の気持ちのアウトプットをすることで新しい発見があると思います(誹謗中傷などは除きます)。

セルフケアになる。アウトプットしてはじめて気付けることがある。

【22】

悪口にも種類があって、感情をぶつけるように言いたい放題の場合と、聞いてもらう相手によっては非常に言葉を選びながら言語化する場合がある。そういう意味ではとても頭を使う行為で、自分を曝け出すということを自覚して言わなければならない。悪口を言うにはエネルギーがいる。ある意味元気な証拠。

「悪口を言える」は元気な証拠。確かに、生命力がなければ言えませんよね。悪口には知性が要る。

【23】

「対象への理解の深さ」に通じるところ。よく「こういった方々への理解を深めてください」という呼びかけを聞くけど、それをすればするほど「よりその人へ突き刺さる悪口」を言えるようになる。それは、本人をひどく傷付けるものかもしれないし、本人さえも大笑いしてしまうものかもしれない。

悪口は、対象への理解の深さを測るもの。優れた悪口は、常に本質的である。悪口には知性が必要となりますね。

【24】

その内容はともあれ「外側に出す」ことで自分の中に溜まったヘドロのようなものを言葉にする行為は究極の内省に繋がる。 言葉にしたことを後悔したり嫌な気分になったりスッキリしたり。自らの感情を俯瞰して見つめることで自分の中で起こる変化に意識を持っていくと悪口は学びになる。

ヘドロを吐き出すことで深い内省へとアプローチできる。悪口は学び。

【25】

きれいな言葉には配慮や予防線や慎みといった自分以外の要素がたくさん混じるけれど、悪口は感情だけなところです。 普段は社会的な立場を装着していますが、不意に出てくる悪口を見ると「これが自分、これこそが自分」だと思えます。

悪口は容赦ない。感情の純度が高い。

【26】

悪口の対象になる、人の欠点は反面教師になるものなので、私の場合欠点の分析をして自分の成長にも繋げることができます。

反面教師にして、自己成長へとつなげることができる。

【27】

褒め言葉にコントラストを付けられる。昔、島田紳助さんが番組ゲストの俳優さんを褒める時、必ず一度落とす悪口を言ってましたが、その人へのリスペクトやあからさまな妬みを含めた、相手が優越になる悪口でした。使い方間違えると、単なる妬みなるので 難しいなぁとは思いますが。

悪口でも相手を喜ばせることができる。ただ、そこには相当な技術とセンスが必要。褒めことばへのコントラストに。

【28】

悪口を言いたくなるのは。たぶん気になっているから。固執してるからかもしれないと、気づいて。悪口をさんざん言って、その人の良さは敢えて見なくして。その人を手放すみたいなことは過去さんざんやってきた気がします。話すは、離すと放すなんですね。

悪口を言って手放せる。軽くなる。

【29】

悪口はこちらの腹立たしさの現れなので、軽妙に面白おかしく笑い飛ばせば、軽やかでストレス解消、エンタメになります。

悪口は笑いを生むエンターテインメントにできる。

【30】

逆を考えてみる。「褒め言葉」は誰もが「いやいやそんな…」と言って額面通りに受け取らない。悪口はどうだろう。誰もが間に受ける。真心が伝わる。褒め言葉はそこで会話が終わるかもしれないが、たとえ憎しみ合い、罵り合いだとしても、悪口からはコミュニケーションが始まる。

真心が伝わる。おもしろいですね。悪口コミュニケーションは感情の純度が高い。

【31】

言ってる人の正義に抵触してるって事だから、翻ってその正義(大事にしてること)がどこにあるかが鮮明になる。褒めるよりリスキーな分、対話の純度は高くその人の理解に繋がる。

正義の在りかが明確になる。対話の純度も高くなる。この部分、上手に扱いたいですね。

全てではないですが、このようなコメントが届きました。

ことばには、人それぞれにイメージがあり、定義がある。それらを読ませていただいていると、わたしの中でも「悪口の良いところ」のイメージがすくすく育っていきました。

#言語化れんしゅう

これからも皆さんのお知恵をお借りしながら試していきたいと思います。Xのスペースでは、みなさんからいただいたことばを感想を述べながら紹介させていただいております。ぜひ、お気軽にご参加ください。




「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。