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【贈与税】相続時精算課税制度とは?~親から子へ財産の贈与~2023/01/12

■相続時精算課税制度とは?

相続時精算課税の制度とは、原則として60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子または孫などに対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。

 ※最新の情報、正しい情報は国税庁や税理士にお問い合わせください。
 ※一般的に用いられる贈与税の課税制度は『暦年課税』です
 ※暦年課税と相続時精算課税制度はどちらか一方しか使えません。

事例で説明

さて、例えば1億円の財産を持っているお父さんがいます。
お父さんはこの制度を使って僕に2,000万円を贈与してくれます。

この時、相続時精算課税制度を使うと、
『贈与額2,000万円が非課税(最大2,500万円)となり、いずれ相続をする時には既に贈与した2,000万円を「足し戻し」し、相続税として課税するよ』ということになります。
(「贈与税」と「相続税」は別物です。)

つまり、このケースだと財産の残り8,000万円はお父さんがご逝去された際に相続税の対象となり、生前贈与されていた2,000万円を「足し戻し」し、結局1億円に相続税として課税されるのです。

上記の通り、相続時精算課税制度とは、生前に贈与する際、贈与税がかからないけど、最終的には相続税として課税される、という制度です。

節税ではなく、納税の先送りのようなイメージ。
これってどのようなメリットあるのでしょうか…?

【相続時精算課税を選択できる場合(年齢は贈与の年の1月1日現在のもの)】
・財産を贈与した人(贈与者)
 →60歳以上の父母または祖父母
(住宅取得等資金の贈与の場合には特例があります。)
・財産の贈与を受けた人(受贈者)
 →18歳(注)以上の者のうち、贈与者の直系卑属(子や孫など)である推定相続人または孫
(一定の納税猶予制度の適用を受ける場合には特例があります。)

国税庁 参考 相続時精算課税制度のあらまし

メリットは?

例えば、このページ上部で登場したお父さんの財産が全部で3,000万円だったとします。ある日、お父さんは『大きな買い物をこれから我が子がするようだし、いまのうちに1,000万円贈与してあげたい!』と考えました。(どうしても生前に取り急ぎ贈与したい!ということが、このメリットの前提です)

そして今回「相続時精算課税制度」を使って1,000万円贈与しました。亡くなられた後は残り2,000万円を「足し戻し」し、相続税として計算します。
↓ここで相続税の基礎控除が登場します

3,000万円+600万円×法定相続人の数=基礎控除額

国税庁 財産を相続したとき 相続税の計算

つまり、相続人が仮に1人であれば、3,600万円までは相続税がそもそも発生しません!「相続時精算課税制度」を使わず、生前に贈与すると贈与税がかかります。このケースだと相続時精算課税制度を使うと贈与税ゼロ&相続税ゼロになります。お得ですね!
使わなかった場合は贈与税のみかかることになります。

デメリットは?

実は贈与税には「暦年課税」という制度もあります。暦年課税と相続時精算課税制度はどちらか一方しか使えません。そのため「相続時精算課税制度」を使うと、「暦年課税」が使えなくなるというデメリットがあります。「相続時精算課税制度」は将来にむけて相続税を減らす効果はありません。

このことから、税金の負担を少なくしたいのであれば、「暦年課税」を使う方がよいことになります。

「暦年課税」を選択した場合、年間110万円までは相続税なしで贈与できます。こちらは相続時の「足し戻し」などもなしです。長期にわたって財産の移動をしたい人に向いていると言えます。暦年課税の基礎控除110万円は、贈与を受けた人1人に対する1年ごとの金額であり、贈与対象の人数と年数が多いほど、非課税で贈与できる金額が多くなります。
↓ただし相続税として加算する場合もあります。

【加算する贈与財産の範囲】
被相続人から生前に暦年課税に係る贈与によって取得した財産のうち相続開始前3年以内に贈与されたものです。3年以内であれば贈与税がかかっていたかどうかに関係なく加算します。
したがって、基礎控除額110万円以下の贈与財産や死亡した年に贈与されている財産の価額も加算することになります。

国税庁 タックスアンサー No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)

あとがき

  • 「相続時精算課税制度」は生前に2,500万円以内の金額を贈与税が非課税で贈与できる。ただし相続時に「足し戻し」し相続税に加算する。

  • 暦年贈与は毎年110万円以内の金額を非課税で贈与できる。

注意点として、非課税限度額を超えた場合は課税されたり、適用条件、申告・提出の必要などがありますので、詳細は国税庁や税理士にお問い合わせください!


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