【3分マーケティング】 Q. “ブランドってなぜ必要?”
はじめに
はじめまして。田岡です。
元ネスレ、WeWorkブランドマーケ責任者、リチカCMOとして働いていた。現在は、大企業・スタートアップに、マーケティング戦略・実行・組織づくりのご支援をしております。
【3分マーケティング 】(3分で分かるマーケティング入門)シリーズでは、実際に企業の経営者、マーケター、その他の方から、よくいただくマーケティングに関する率直な疑問に簡単にお答えできればと思います。入門シリーズということで出来るだけ平易な言葉で書くことを心がけますね!
ぜひご質問などあれば、TwitterのDMなどでもいただけると嬉しいです。
今回は、多くのマーケターや経営者からいただくご質問です。
Q. “ブランドってなぜ必要?”
この質問は、本当に多くのマーケターや経営者からいただきます。普段マーケティングに直接的な関わりの少ない方からもよくいただく気がしています!
ブランドが必要な理由、私は答えます。こう聞くと、「え、めっちゃ大事!、でもほんとに?どういうこと?」と感じる方が多いと思います。これから少しずつ説明していきます。
”そもそも、ブランドって何?”
ブランドと言ったら、銀座で立ち並ぶ高級バックやアパレルとか、外国の高い車とかを想像する人も多いはずです。
でも実際は、あらゆる名前あるものはブランドです。ブランドの語源に立ち返ってみると分かるかもしれません。
「ブランド」という言葉は「burned」つまり「焼印を押す」ところから生まれたと言われています。その昔、自分の家畜と他の家畜を区別するために、焼印を入れていたみたいです。確かに焼印がなかったら、区別がつかず、価値が分からなくなってしまいますよね。
つまり、ある商品・サービスを、他者のものと区別し、価値を伝えるために、そもそもブランドというものがあります。
だとしたら、現代ではあらゆるものがブランドとして捉えられますね。商品・サービスだけでなく、人のブランドも当然存在する。セルフブランディングというものも、まさにこうして成立してるのですね。
"ブランドってどうやってつくるの?”
では、ブランドってどうつくるのでしょうか。
もちろんご想像の通り、名前を作って終わりではありません。色々と定義し、実行していく必要があります。
ブランドは簡単にいうと3つの要素からできます。以前のnoteでも紹介した図を共有させてください。
少し難しいと思うので、簡単に説明しますね。
A.ブランド定義
ブランドが、誰に向けてどんな価値を届けるのかを決めることです。語源の部分でも触れた通り、価値があるからこそ区別する必要が出てきますよね。価値がそもそもなければ、ブランドを考える必要はありませんね。
ブランドの要素は様々なものがありますが、特に3つが重要だと考えています。これは、参考文献にも書いている「実務家ブランド論」の片山先生の定義が実際にマーケティングに携わる方にとってわかりやすいので、参考にしています。
B.ブランディング
「ブランディング」よく聞くワードですね。ブランディングとは、↑で決めたブランドの要素を、すべての顧客との接点で表現していくことです。たとえば、Webサイト、ECサイト、パッケージ、プロダクト、プレスリリース、とにかくすべてです。B2Bであれば、セールス、カスタマーサクセスの方もまさにブランドで決めた価値をちゃんと表現できていないといけません。
でも、これを実現しようとすると、多くの部署の人を巻き込まないと、ですよね。社外の広告代理店の方にも伝えないといけない。このために「ブランドガイドライン」が存在しています。しっかりとドキュメントにして分かりやすく伝えるのが大切なのです。
C.アセット化
「アセット化」少し難しい言葉ですね。でもあまり難しく考えないでください。ブランドがお客さんの頭に残っているかということです。
皆さんに、好きなブランドって何ですか?って聞いた時に、誰しもいくつか出てくると思います。まさにこれがアセットです。
たとえば、お店での店員さんとの会話が、それだけで終わるのではなく、ブランドの「好き」や「信頼感」となって積み上がっていく。
Youtubeで見た感動系の動画を通じて、そのサービスのストーリーを理解する。Webサイトを見た時も「意義のあるサービス」だと思って、契約を検討したくなる。まさにブランドが積み上がっています。
これは、ブランドからしたら大切な資産です。お客さんの頭の中にある、認知やイメージを積み上げていくことがアセットです。だからこそ、どんな接点でも、同じことを言い、同じ体験を提供していく必要がありますよね。
"じゃあ、ブランドがないとどうなるの?"
じゃあ、ブランドがないと何が困るのでしょうか。実は、企業にとっては困ることばかりです。3つ紹介しますね!
1.価値が伝わらない
「ブランド定義」ができていないので…
お客さんに提供きる価値が定義されていない。
だから、その商品・サービスってどんなもの?何が嬉しいの?こうしたことが決まっていないことになります。なので、広告やSNSでも言っていることがあいまい。価値があるものであると伝わりにくくなってしまいます。これでは効果的なマーケティングや営業はできません。
2.お客さんが混乱する
「ブランディング」ができていないので…
色んなところで言っていることがバラバラ。
たとえば、、ある広告では「簡単ラクラクだよ」と言いながら、店頭では難しい機能の話ばかりしている。店員がカジュアルな語りかけ方だと思ったら、いきなりよそよそしいCM、メルマガは煽り口調。メッセージも色やビジュアルもバラバラで、認識できない。
お客さんからしたら、信頼ができない、好きになれない、ということになってしまいます。マーケティングも営業も、効果的にできません。それぞれのコミュニケーションが互いに足を引っ張ってしまいます。本当にもったいないことになります。
3.記憶に残らない
「アセット化」ができていないので…
ブランド名も覚えてもらえない、内容も覚えてもらえない。
何回コミュニケーションしても、認知やイメージに残りません。特に、1.2から派生して起こってしまうことです。
ずっとTVCMを見つ続けるけど、何のサービスか分からない。何が良いのか分からない。そんなブランドはありませんか?結構思い当たるのではないかと思います。
そもそも「ブランド名」伝えてますか?「何」か伝えてますか?「価値」は伝わっていますか?ブランディングは積み上げていくもの。アセット化ができない施策ではブランドは作れません。
いかがでしたでしょうか?
"うまいブランディングって?"
いくつか、ブランディングうまいなーというブランドご紹介します。
どのブランドも価値が明確、伝え方が一貫している、記憶に残ります。その証拠に、多くの方が、会社名・ブランド名を消しても、何の広告か分かりそうですよね!(本当は、ここでもたくさんお話ししたいのですが、この辺でやめておきますね!)
普段何気なく使っている「ブランド」。改めてマーケティングでも営業でも、もちろんビジネス全体で、とても大切なものだと伝わっているととても嬉しいです。
もし何かご質問などございましたら、ぜひMeetyにてお話できればと思います!よろしくお願いいたします。
田岡 凌
参考文献: