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ロジカルシンキング~帰納法・演繹法(後半)~

前回、帰納法と演繹法という2種類の考え方があることをご紹介しました。

前回のおさらいを一言でいうと
帰納法は、具体的な事象から上位概念に考えを集約させる方法
演繹法は、抽象的な内容から下位概念に考えを発散させる方法
です。
もしまだ見られていない方がこちらをご覧ください。

帰納法演繹法

今回は、もう少し深堀りして、ご紹介してみます。

1.帰納法と演繹法はどんな時に使うのか?

【帰納法】
帰納法は、具体的な事象を挙げられる場合に使用
できます。
例えば、自分自身がその内容を詳しく知っている場合やアンケートやヒアリングで内容をよく把握できている場合です。

帰納法は共通項をまとめる作業が必要になります。そのため1個2個程度具体例が思い浮かぶレベルではなく、10個以上具体例が挙がる状態が好ましいです。
この具体例は些細なことや細かいことでも構いませんし、抽象度を気にする必要もありません。

【演繹法】
一方、演繹法は、具体的な事象を想像しにくい場合や要素分解がしやすい場合に使用します。

例えば、以下のようなものです。
・売上=客数×客単価
・経営資源=人+モノ+カネ+情報

この時のコツは特に最初の分解はMECEとなるように注意することです。
MECEについては、別の記事で詳しくご紹介しますが、漏れがないようにすることが重要なポイントです。
つまり、「Aの構成要素はXとYとZだ」といったときに、他にもあるのでは?と相手に思わせないような要素分解をするということです。

2.2つの思考法はどちらかしか使えないのか?

答えはNoです。
実際に何かを考える際にはこれら2つ考え方両方を使うことが効果的です。
僕の場合は、可能な内容であれば、まず演繹法で大枠を整理した上で帰納法を使って詳細イメージを付けていきます。

例えば「A部署の業務負荷が高い理由は何か?」という論点を自分の中で整理してみるとします。
もし、抽象度が高い内容で分解が難しそうであれば、以下のように思いつく限り項目記載してみたりします。

「A部署の業務負荷が高い理由は何か?」
-使用システムが複数あり、業務が複雑
-ベテラン社員が少なく、スキルが高い社員が少ない
-本来は他部署がやるべき業務をA部署が行っている
-業務リードタイムが長い業務多く、手待ち時間が発生している
-マニュアルが読みにくい
-退職者に対して、新規採用が追い付いていない など

ここから、似ているものをまとめて抽象度を上げると帰納法的発想になります。

ただ、この内容を演繹法で考えると以下のように考えてみます。

①第一分解
業務負荷が高い=時間がかかっていると考え
時間がかかる=一人当たりの平均業務量/一人当たりの平均業務効率
と分解します。

②第二分解
さらに、一人当たりの業務量が多いは
人不足(適切な業務量に対して人が少ない)
無駄な業務が多い(適切な業務量に対して人は足りているが、ムダな業務が追加されているためその分人不足)
と分解することができます。

同様に、一人当たりの平均業務効率が悪いは
スキル不足(通常レベルの業務であるが、作業員の習熟度が浅い)
業務難易度が高い(作業員の習熟度は普通レベルであるが、業務の難易度が高い)
と分解することができます。

③それぞれに対して具体的な内容を考える。
(これは帰納法的な発想で、思いつく限り記載していく感じです)

このようにすると以下のようなロジックツリーを作ることができます。

ロジックツリー④

3.まとめ

・ロジカルシンキングをするにあたり「帰納法」と「演繹法」という2つの思考法がある
・帰納法は具体的な事象から上位概念に考えを集約させる方法で、具体的な事象を多く出せるときに使用
・演繹法は抽象的な内容から下位概念に考えを発散させる方法で、上位概念をもれなく分解できるときに使用
・両方使用できる場合は、両方の考えを使用して、最後に融合させる

帰納法演繹法②


このあたり、より詳しく聞きたい方はストアカでロジカルシンキングの講座を実施しているのでご興味があれば、遊びにきてください。
https://www.street-academy.com/steachers/324200?conversion_name=direct_message&tracking_code=89d1276812c7182abb332af300d4aadf 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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