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思い出はiPhoneのカメラロールに

いつも思い出はiPhoneのカメラロールに残っている。僕はどこに行っても写真を撮る癖があって、iPhoneで撮ったり、ミラーレスカメラで撮ったりしている。写る側よりも断然、撮る側の人間で、自分の写真はあまりない。たとえ誰かに撮ってもらったとしても、すぐに消してしまう習性があるんだけれど、誰かと一緒に撮った写真は消さずに残している。

ずいぶん思い出が増えた。楽しい思い出もあれば、悲しい思い出だってある。たまにカメラロールをスクロールしては、こんなことあったなと物思いに耽りたくなる。

iPhoneのカメラロールには自分が忘れかけていた思い出も残っていて、自分より記憶力いいじゃん、いや、そりゃそうかとひとりでノリツッコミしては、うれしいのか悲しいのかよくわからない感情になる。思い出が増えることは自分の人生を生きた証拠で、これだけは誰かに奪われない。

iPhoneのカメラロールをスクロールするたびに、どんな人と何をして、どんな景色がそこには広がっていたのかなど、当時の情景が映像として蘇ってくる。過去の思い出のどれもが自分を形成してきたもので、何かひとつでも欠けていたらいまの自分はいない。なんて思えるようになったのは最近だ。過去は写真を見るたびに、苦しい過去にばかり目を向けて、嫌な気持ちになっていた。

難病になって、たくさんの人に助けられて、周りに感謝できるようになった。そのおかげで昔の自分が何かをしてきたから、たくさんの人に支えてもらうに値する人間になったんだと褒めたくなった。

文章も同じで、僕は20歳からずっと年齢ノートと呼んでいる自分の感情を記すノートをつけている。写真は自分の成長を絵で見ることができるけれど、文章は言葉から成長を見ることができるものだ。あのときの考え方は青臭かったとか、いまの自分は当時と比べてずいぶん丸くなったとか、思うことはたくさんあるのだけれど、過去の自分を残しておいて良かったと思える。

綺麗な思い出ばかりではないし、これから先も綺麗な思い出ではないものもたくさん増えるだろう。でも、これから先も写真や文章で「生きた証」を残しておきたいし、いろんな経験をして、成長したとか、青臭いとか感傷に耽りながらお酒を飲んでいたい。

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