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戻らない幸せをもう一度

終わった2人の関係はもう戻らないし、戻らない幸せは確かにそこにあった。

戻らない幸せを教えてくれたのが、君だなんて信じたくなかった。

甘酸っぱい恋をした。誰もがうらやむようなそんな恋。

常に君は異性からモテていて、君の隣にいることは、どんな勲章をもらうよりも名誉あることだった。

クラスで1番の人気者と付き合うみたいなそんな感覚。

ああ、青春とはまさにこのことか。

青春のすべてがそこに詰まっているかのような恋。

君がいるという現実が、僕の人生を薔薇色に変えた。

今まで色あせていた景色が、突然きらりと輝きだした。

幸せを2人で作っていくという感覚を肌で感じていた恋。

最初のうちは、何も言わなくても君からの愛が伝わっていた。

君の仕草、表情、振る舞い、形の全部が愛に満ちていたんだよ。

朝起きて会社に行って、仕事が終わり、電車に揺られる毎日。

家のドアノブを回すと、きみが「おかえり」って言うから、ぼくは当たり前のように「ただいま」と返した。

恋はやがて愛に変わり、愛はいつの日か当たり前に変わっていた。

いつからか君は「ごめんね」という言葉をよく使うようになったよね。

僕が聞きたいのはそんな言葉じゃない。

そして、君がほしい言葉が僕にはわからない。

「ごめんね」よりも「ずっと一緒」が欲しかった。君も同じ気持ちだったんだろうか。

いつの日か言葉がなければ、愛を確認し合えない関係になってしまった。

慣れってほんと怖いね。

言わなくても伝わるなんて、年数が経てば嘘になるんだよ。きっと。

言わなくちゃ伝わんない。でも最後の最後まで言わなかった。言えなかった。だから終わった。ただそれだけのこと。

終わりはいつも突然に。予期せぬ終わりが、僕らから幸せを取り上げる。

大切なものはいつも失ってからしか気づけない。

失ってから気づくなんて、そんなことは最初からわかってたはずだったのに。

わかってたはずなのに、失ってから気づくなんて学習能力がまるでない。

僕の脳みそはこんな簡単なことさえ記憶しておけないのか。

甘酸っぱくて終わるはずないの恋。本気で初めて人を好きになれた恋。

青春なんて言葉で片付けたくない恋。君と僕で一緒に育んできたはずの愛。

君と僕でこれまで懸命に育んできた愛は、いともたやすく崩れ去った。

戻らない幸せがあるなんて知らなかったし、戻らない幸せを教えてくれたのがあなたなんて信じたくなかった。

出会いと別れ。

RADWIMPSの歌で、「別れる理由が3つあるなら別れない理由100探すから」っていう歌詞があるんだけど、まさにそう思った瞬間。

でも探せなかった。100個も僕らが一緒にいる理由なんてなかった。

見つかったとしても精々30個ぐらいで、100個も見つからない。

それが現実だった。大切だと思っていたものは、大切なものじゃなくなっていたのかもしれない。

君が僕の前から姿を消した。もう君が僕のことを必要とすることはないのだろうか。

忘れたふりするんだろ。僕なんていなかったことにするんだろ。

そうやって全部自分の都合のいいように解釈するんだろ。

もうわかったよ。全部僕が悪いことは。君はなんにも悪くない。

君と僕。出会わなければ良かったのか。でも出会わなければ、今の感情を知ることができなかったのかもしれない。

幸せも、不幸せも教えてくれたのは全部、君だった。

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