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【M-1】悪口を笑いに変えるには技術がいる

今抱えている悩みを10年後に覚えている人はほとんどいないけれど、生きている間に悩みがなくなることはない。ずっと目に見えない不安に追われているからこそ、気軽に愚痴や弱音を吐ける場所が欲しい。とはいえ、実際は身に積もった鬱憤を晒せる場所はほとんどないのが現実だ。

ウエストランドの優勝で締め括られたM-1グランプリ。決勝に進出した10組はどの漫才もレベルが高くて、年々レベルが上がり続けているという印象だ。音符で話題を掻っ攫っていた男性ブランコ、誰も真似できない独特のリズムで笑いを取ったヨネダ2000、ハンターハンターやエンタの神様などわかる人にはわかる小ネタをしっかり挟んできた真空ジェシカなど、しっかり笑わせてもらった3時間だった。


タイムマシンネタで「もうええど」という駄洒落を最後に見せたロングコートダディも、免許返納であそこまで笑いを取れることを見せつけたさや香も本当に面白くて、3組の評価は最後まで拮抗していた。勝敗を分けたのは、言いづらいことを言ってくれる代弁者を担ってくれたからかもしれない。「人を傷つけてはいけません」が浸透した現代で、よくぞ言ってくれましたと言わんばかりに悪口を連発したウエストランドに敬意を表したい。


しかし、悪口を笑いに変えるには技術がいる。人を傷つけるのは簡単だけれど、それを笑いに変えるのは容易ではない。素人が真似をすると火傷するどころか嫌われ者になる可能性だってある。ここがプロと素人の差なのだろう。でも、たまには言いづらいことも言いたい。溜まりに溜まった鬱憤をうまく吐き出したのが、ウエストランドの功績だったと思う。

どこもかしこも共感が求められるこの時代に深く刺さったウエストランドの漫才は痛快という言葉がピッタリだ。誰も傷つけないが理想だけれど、思わぬところで人を傷つけることがある。その原因は相手の地雷がどこにあるかを知らないためだ。

相手を知ることは、相手を傷つけないポイントを知るにも繋がる。不快感を示されないように気を配ることは大切だけれど、遠慮しすぎるのは違う。どこまでいったら相手を傷つけるのか。それとも笑いに変えられるのかを知ることは相手だけじゃなく、自分のためにも必要なんだと思う。なんにせよウエストランドの笑いの取り方は素人には真似できない芸当だ。

とにかくすんげえ面白かった。皆様お疲れ様でした。そして、ウエストランド優勝おめでとうございます。お笑い最高!これからもたくさんのお笑いに助けられる人生になるんだろうな。アナザーストーリーも楽しみだし、今後のウエストランドの活躍も楽しみです。

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