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光り続けよう、あの星のように

とある研究データによると、音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽によって形成されているようだ。14歳の時はMr.ChildrenやBUMP OF CHICKEN、RADWIMPS、ORANGE RANGEなどを聴いていた。当時聴いていた楽曲たちは、不思議と今も歌詞を覚えている。

曲と思い出はセットになっている人が多い。14歳の時に聴いていた楽曲との思い出は今でも鮮明に残っている。当時はORANGE RANGEが最盛期を迎えていた。昼休みの校内放送ではORANGE RANGEの楽曲ばかりが流れていたし、彼らがMステやカウントダウンTVに出演するたびに、翌月曜日はその話題で持ちきりになっていた。学校にMDを持ってくるのは禁止だったけれど、先生にバレないように部室でこっそりとORANGE RANGEを聴いていた。学校中を熱狂の渦に巻き込むほどの力を彼らは持っていたのだ。

当時、『*〜アスタリスク〜』を上手に歌える人は異性からモテた。ラップ調の楽曲は歌えるとかっこいい。中学生なんて至極単純だ。モテたいという一心で、みんなこぞってカラオケで練習をしていた。当時の僕は異性に対して、恥ずかしいという気持ちがあり、思うように話すことすらままならなかった。だから、異性とカラオケに行く機会などなかったのだ。

同時期にHP作成が流行っていて、それは同級生や近隣の中学生と交流する役割を担っていた。校内のいろんなグループがHPを作成していたため、波に乗り遅れたくない。学生時代はいかに波に乗れるかで、クラスのヒエラルキーが変わってくる。当時仲が良かった3人組で『へたれ3人組』というグループ名でHPを作った。僕たちはいざというときに何もできないへたれだった。異性とカラオケに行っても恥ずかしくないよう練習をしていたのだけれど、そもそもそんな機会は訪れない。異性を誘うことに抵抗があり、その名のとおりへたれだった。ちなみにその2人とは、今も交流が続いており、3人のラインのグループ名として『へたれ3人組』は残り続けている。

3人の内の誰かが恋愛をするたびに、みんなで盛り上がった。誰かが失恋したときは、失恋ソングばかりを歌うカラオケ大会が開催された。僕たちは恋に笑い、恋に泣いた青春時代を過ごしてきた。大人になって恋愛が全てではないと知ったのだけれど、当時はいかにして彼女を作るかばかり考えていたのも今となってはいい思い出だ。

現在は3人ともそれぞれの人生を充実するために歩いている。2人が自分の夢に向かって挑戦する様は本当にかっこいいし、尊敬しかない。僕も彼らのように夢を追いかけていたいと思う。『*〜アスタリスク〜』の『光り続けよう、あの星のように』という歌詞は、誰もが星のような輝きを秘めているという意味を持つ。

31歳になって、自分の夢を叶えるために上京した。実際に東京という土地で勝負してみて、うまくいかない日々ばかり過ごしている。時に泣きたくなる日もあるし、無理じゃないかと諦めそうにもなる。上京前に2人から「嫌になったらいつでも帰ってこいよ」と声をかけてもらった。それは彼らなりの優しさで、僕は照れ臭くてその言葉を適当に流した。彼らと過ごした日々を思い出すたびに、不思議と力が湧いてくる。

夏の夜に1人バルコニーで『*〜アスタリスク〜』を聴くたびに、こんなことを思う。

東京の夜空に明るい星はないけれど、光り続けよう、あの星のように。

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