戻らない日常を、もう一度

君の声で目覚める朝が好きだった。目覚ましがわりに聞こえる君の声。おはようと言えばおはよつと当たり前のように返ってくるLINEがやけに幸せだった。君を失ったいまではもう返ってこない返事。君はいまなにをしているんだろうか。その答えは僕には分からないし、わからないほうがきっと2人のためなんだろう。

昼間に見た映画。見え見えの感動シーン。キャストの名前が流れるエンドロール。2人の物語の続きに君の名前はもうないし、勝手に主演を降りたのが君の悪いところ。勝手に変えてしまった脚本。変わらないと勝手に期待しては、その期待を自ら裏切ってしまった。ねぇ君は一体誰と物語の続きを見てるんだい?

電話をしながら寝落ちする夜が好きだった。酔っ払ったときに電話をかけれたり、好きな景色を見た時に共有したいと思えるそんな当たり前を幸せだと知らなかった。大切なものの大切さは失ってからしか気づいてしまうし、その気づきは元恋人ではなく、新しい恋人にしか使えないのがオチ。

僕の全部で君が好きでした。もっと五感で君を感じたかった。叶わない願いに、終わってしまった恋。戻りたい過去に、後悔ばかりの恋。ありがとう、ごめんね。そして、見知らぬ誰かと幸せに。それではどうかお元気で。

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