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ふがいないや

街の至る所に君が顔を出して、そのたびに君と過ごした過去を思い出してふがいないや。この街の何もかもが君で埋め尽くされて、拭えない後悔を思い出してふがいないや。

沈みゆく夕日にかつて恋に落ちたふたりを重ねる。夜のベランダでひとり星を見上げる。曇り空のせいで星は見えない。星は恋のようには落ちずに、ただもやもやが残る。もやもやが残ったまま終わったふたりを重ねてふがいないや。

かつては絡み合った糸もいつの間にかゆるりとほどける。恋に落ちて、運命だと錯覚して、次の恋への布石だったことに気づいてしまってふがいないや。かつて赤い糸で結ばれたふたりがもう絡み合わない事実を知ってふがいないや。

したり顔で笑う君にはいつも手を焼いていたんだよ。でもそんな君の顔をもう見ることができないなんてふがいないや。想いが重なりあって過ごす日々はとても幸せだったと失ってからしか気付けなけないなんてふがいないや。

幸せな日々をいまだに忘れられないのはぜんぶ、あなたのせいだよ。ねえ、今は誰かの隣でちゃんと笑えてますか?

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