記憶

深夜にこっそり煙草に火を付けた。吸えもしない煙草。思い出すのは君の匂い。君を思い出そうと君の吸っていた煙草を吸ってみたけれど、むせてしまうのがオチでした。

記念日にくれたお揃いの指輪。指輪もネックレスも時計も全部あなたがくれたよね。あなたに貰ったものが未だに捨てられないんです。なんだかあなたを身に纏ってる気がしてならないんです。

予測変換にいちいち君の名前が出てくるから、iPhoneまでもがいちいち思い出を蘇らせてくる。鬱陶しいなと思いながらも、楽しかった写真なんかをたまに見返したりしてます。要は忘れられないの。

楽しいはずの思い出も今は悲しい過去。LINEのアイコンも変わってしまった。ねえその写真誰が撮ってくれたの？聞きたいことが山ほどあるんだけど、もう君はいないから聞くことが出来ず、私の知らない君がどんどん増えていく。