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流行りの『1on1ミーティング』で、人が育つのは本当か?

『育成』と『モチベーション管理』が、マネジメントの役割だとインテルの元CEO アンディ・グローブが著書『HIGH OUTPUT MANAGEMNET』(キンドル本はセールなのか半額で売ってます)で語っています。


今回は、その中で出てくる1on1ミーティングの有用性についてです。


近年、もてはやされている1on1ですが、なぜ結果を残している施策と言われているのか、どういった組織であれば有用と言えるのかを私なりの解釈で考えてみましたので、1on1導入に悩んでいる方や成果出せていない方は是非ご一読ください。

時間がない方向けに要約すると下記です。

1on1は下記3点からとても有用と言えるので、導入すべき
『人間関係の構築に役立つ』
『組織として無駄走りが減る』
『自律走行型の組織を作れる』

マネジメントの基本は人間関係

結論から申し上げると、1on1は組織で結果を残していく上では大変有用なツールとなるので、すぐにでも導入した方が良い施策と言えます。


効果的なチームを組成する上で、よく『心理的安全性』が大事と言われます(Googleの研究結果が有名なので下記参照)が、この心理的安全性があるかないかは、つまり人間関係が構築できているかどうかで、1on1は『心理的安全性』を築く上で有用なツールと考えられます。

以下では、1on1ミーティングを3つのステップで紹介します。

STEP1:人間関係構築で最も大事な『認知/共感』

うやむやに1on1を始めた際や、トップダウンで1on1を始めることになった際に、あるあるなのが上司が喋りすぎることです。上司がこう考えているとか、こうして欲しいという話をするために、1on1があるのではないのです。


1on1の目的は人間関係の構築がまず始めです。ですので、話を聞くところから始めましょう。また聞いた直後に「いや、〜〜」「だからね、〜〜」と言わずに、「そうだね」「なるほどね」と共感の返答をまずしてください。

マネージャーになられた方々がメンバーの時代には、自分の意思や仮説を主張し結果を残し出世をしてきたと思いますが、メンバーに結果を残してもらう時はやり方が根本的に違います。マウントとっても無意味です。


この人は自分の話を聞いてくれる理解者だと思ってもらわないと、伝えたいことは伝わりませんし、話をしてくれなくなります。話をしてもらえなくなってしまうと、当たり前ですが、メンバーはクリエイティビティを失い、結果としてチームの成果もズタボロになります。


マネージャーはメンバーに成果を出してもらってナンボです。ですので、まずは話を聞いてください。傾聴力こそマネージャーにマストで必要な力です。

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STEP2:期待値のブレをなくし、正しい努力を促す

人間関係構築だけであれば、飲みにでも行けば良いのですが、1on1は仲良くなる為のものではありません。チームの力を強くし成果を残す為のものです。


成果を残すためには、メンバーに正しく頑張ってもらうことが重要です。正しく頑張ってもらうとは、共通のゴールイメージを認識し、何を行ってもらうのかの次のアクションを明確化し、実行に移してもらうことです。

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『私は頑張っているし、〜〜な結果も残しているのに、評価がされていない』という話を耳にしたことがあるマネージャーはたくさんいると思います。


なぜこのようなことが起こるかというとゴールが共通化されておらず、間違った方向に走らせてしまっているのです。しかもその軌道修正が全くできておらず、3ヶ月や半年の期間が経っているという状況なのでしょう。


これはハッキリ言って最悪です。そのメンバーの時間を無駄にし、人件費を無駄にし、はたまたこれが退職となれば組織へも悪影響がでてきます。


そのためにも定期的な(できれば週次)1on1を実施し、現在何を目指して仕事をしているのか?はたまた何に困っているのか?といった点を重点的にヒアリングする機会を設けましょう。そうすることで、現場への期待を調整することができ、正しく走ることができます。

STEP3:内省を促し、自走できる個人/組織を目指す

1on1では、人間関係の構築、期待調整による次の行動を決定を行いましたが、行動の結果がどうであったか、次どうすべきかの内省の促進を実施します。いわゆるコーチングと言われるものです。

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メンバーの方(中でも若手の方)となると、仕事になれておらず、一つ一つの仕事に時間がかかってしまい、忙殺されてしまっていたり、そもそも一人では内省の仕方が分からなかったりすることもあります。


人が成長していく上では内省は欠かせないものであるので、その一助を担うのはマネージャーの責務であるので、助けてあげてください。


『〇〇ができていない!』という指導するのではなく、『どうしたら良い結果が出たと思うか?』という問いかけをし、メンバー自身で回答を出せるように工夫をしてあげてください。(『なぜこうなったと思う?』というなぜ?という質問の仕方も絶対にNGです。)

1on1は時間がかかるが、ROIは非常に高い

以上のことから、1on1ミーティングは非常に時間がかかるものですが、生産性を引き上げる上でも、ロイヤリティを高める上でも役立つため、ROIとしてはとても高く、再現性が高いので、即実行すべき施策といえます。


ただし、徹底力(およびマネージャーの覚悟力)がないと、この施策は永続的にはできないものなので、マネージャーとしてチームに時間を捧げるという覚悟を持って進めてください。


1on1を進めていく上での参考図書を最後に掲載いたします。


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