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「意識」だけでは変わらない

子どもが、あるいは部下が、失敗を繰り返す、何かがうまくいかない、改善したい…という際に、解決策を「〇〇することを意識する(させる)」にしてしまうことありませんか?

誰かに何か「意識」しないといけないような課題があるとき、解決策を「意識」にすると、しばしばその意識しなきゃいけないことを忘れてしまいます。あるいは、最初の数日だけ覚えていて、忘却の彼方へと旅立たれることでしょう。意識を変えたい、あるいは加えたいときは、その意識を伴う「行動」を(場合によっては習慣的に)設定すると効果的ではないでしょうか。

今日は、同僚や部下、子ども、コーチする人、学生、あるいはあなた自身に、何か課題があり、それを改善してもらいたいと思っている方に向けて書きます。

意識を行動に変える

人が何かを習得するときは、こんな順番だと言われています。

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①無意識・無能(意識してなくてできない)
②有意識・無能(意識してもできない)
③有意識・有能(意識してできる)
④無意識・有能(意識せずできる)

但し、解決策が意識だけの場合はなかなか機能しません。理由は2つです。
■ 意識することを忘れる
■ 意識したところで何をすればいいかわからない(からしない)

故に、
・具体的な行動に落とし込み
・その人にとって有効なツールで忘れないようにする
と効果的ではないでしょうか。

まず、具体的な行動に落とし込むことです。意識を促して何も改善されなかったときに「忘れてた」と同様に多いのが「何していいかわからなくて、結局今になっちゃった」が意外に多いです。
・相手のことを考えることを意識しよう、でもそれってつまり何をすることなんだろう?
・経営者目線で考えることを意識しよう、でもそれってつ(以下同文)
・自分の好きなことが何か意識しよう、でもそ(以下同文)

といった具合です。心あたりありませんか?
従って、まずはその意識してほしいことはどういう行動を伴うのか、もちろん相手によっては抽象的なままで伝わることもあるかもしれませんが、なかなか改善されない場合は、具体化してみると「そういうことね!」となることも多いです。

先週の1on1で、その2週間前の1on1から劇的に行動が進んだ高校生がいました。具体化がそれまで不足していた(これは反省)のだとの仮説から、徹底的に具体化することに努めた結果だったので、仮説があたってほっとしたところです。ちなみにこの「徹底的な具体化」は2時間かかりました。かなりこんがらがった状態からでしたが、彼女の思考意欲・思考体力には驚かされました。お互い疲れましたが!

具体化したら、次は、有効なツールで忘れないようにすることです。ちなみにここでの「有効なツール」が何か、人によって異なりますよね。カレンダーや手帳、to doリスト、アラート、付箋など、巷にもツールは溢れています。手帳だけでどれだけの種類があるでしょう?
他人が使用しているツールを参考にするのは大いに結構ですが、僕の個人的な感想としては、結局人によって好むツールが異なる(=万人に有効なツールはない)と感じています。もしあるなら、あんなにいろんな種類の手帳は溢れてない気がします。僕もいろいろ試しましたが「Googleカレンダーのみ」で今のところ着地しています。

まとめると、とにかくまずは何をするか具体的にして、そして有効なツールで忘れないようにしてもらう、が良いと思います。

意識装置としての1on1ミーティング

本人に行動を管理してもらう場合は、前述のようなツールを選んで実践してもらう必要がありますが、本人の管理関係なく、強制的に実践してもらう方法があります。それは、自分(あなた)と一緒に何かする「共同作業」です。ミーティングや合同練習ですね。連れションみたいなものです。そして、1on1ミーティングや定期的なコーチング/カウンセリングのためのセッションは、多分にこの側面があります。

例えばこういうことがあります。1on1 collegeの参加者には、自分が何をしたいかわからない・見つけたい、という学生が少なくありません。やり方はいろいろあるのですが、実は、そういう目的で定期的に会話する機会(=1on1ミーティング、共同作業)があるということで、それだけで解決したりします。1on1の時間はもちろんですが、事後にそれを思い出したり、日常の経験が1on1での会話と紐づいたり、次の1on1の前に考えたりするからです。要は、行動によって意識の量や頻度が上がってるからです。

もちろんそうなるためには、相応の1on1のクオリティは必要だと思いますが、意識づけという機能が1on1そのものにあるのだと、経験から実感しています。ちなみに、意識づけという点での1on1のクオリティを上げる1つのヒントは、いかに話してもらうか、です。この辺の話はまたいつか触れたいです。

本人も改善したいことか

今日はここまで、意識だけではできるようにはならない、行動を具体化して、忘れないようにすることを話しました。但し、最も重要なのは、本人自身がそれを改善したいと思っているかどうか、です。今日のはあくまでhowの部分ですが、本人の意思、つまりwhyの部分が原動力になるのはまちがいありません。でないと、オンラインの1on1ミーティングで2時間も集中することは難しいと思います(本当にすごい高校生だと思います)。

特に親子や上司・部下の関係の場合、利害関係があったり、保護者・上司の優先順位と子ども・部下のそれとが異なることが往々にして起こります。その場合は、その優先順位や価値観を、擦り合わせるところから会話をスタートさせる必要があるのだと思います。私はこうしてほしい、私はこうしたいのままでは平行線ですからね。
その点コーチング/カウンセリングは、本人の意思に基づいて話題を決められるので、やりやすいかもしれません。

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途中でも書きましたが、僕はGoogleカレンダーを使っているので「有意識・無能」あるいは「有意識・有能」期間のものが溜まってくると、カレンダーが大変なことになってきます。早く無意識の習慣化したいものです。このスピードアップについては、、、これもまたいつか触れたいと思います。

今日もありがとうございます。良き1週間を。

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