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大人になりたくなかった。

日テレの「アナザースカイ」というテレビ番組が好きで、ほぼ毎週観ています。ゲストが第二の故郷や憧れの土地に行って、その人の人生を掘り下げていくような番組です。録画して観ているので、刺さった回はとっといて、後々また観たりしています。

最近また観て、改めてぐっときたのが、2019年10月放送の、石田ゆり子さん@パリでした。


(女優の石田ゆり子さん)


めちゃんこおもしろい人だったのですが、特に印象的だったのが、パリについて語るところで、

歳を重ねていくことが素晴らしいことだって文化が根っこにあるんですね。(中略)いつでも「今が一番若くてここから先に楽しいことがある」ということを教えてくれる。

と表現したところでした。


これを聞いていて、「歳を取る」ことに、抵抗とまでは言いませんが、自分は少なくともポジティブではないと気づきました。でも同時に、これを聞いていて、歳を取ることにポジティブな雰囲気がある社会はとても豊かだなと思いました。前向きですしね。


一体いつまでは、歳を取ることが楽しみだったのでしょうか。もちろん人によって答えは異なるでしょうが、僕は学生までだった気がします。つまり、大人になりたいって全然思えてなかったですね。全然大人になりたくなかった。

今日は石田ゆり子のアナザースカイについて書こうと思って、書き出して、それからこれに気づいたので、なかなか驚きました。ちょっと恥ずかしいですし。それでタイトルも今のに変えました。

身の回りに、素敵な大人がいなかったわけじゃないんですよ。忖度でもなんでもなく。お世話になった方々もいます。とにかく気づいてびっくりしました。


たぶん、はたらくとか、仕事とか、そういうことがまったく想像できてなかったんだと思います。大学卒業して、最初の会社に入社するまで。想像しようともしてなかった気がします。入社後、結構困りました。自業自得ですね。でもなるようになったので、反省も後悔もありません。ただ、想像ができてなかった。だからなりたくなかったんだと思います。


対照的なのが、今隣で昼寝している、3歳の娘です。次の誕生日を迎えることに、自分が大きくなっていくことに、歳を取ることにめちゃくちゃわくわくしてるんですよね。子どもってそうなんですかね。気持ちいいくらい、待ち焦がれています。

何かに届くようになる、乗れるようになる、食べられるようになる、ビールが飲める、お菓子も食べられる…そういう側面は多分にあると思います。でも、石田ゆり子のように、歳を取ることを楽しみにしている姿は見ていてとても喜ばしいというか、ポジティブで、ハッピーでした。うらやましいとすら思いました。


またちがうところで、2週間前、1on1 collegeの高校生・大学生向けに、大人を呼んでトークイベントをする機会がありました。友人を招いて、いろんな価値観を根掘り葉掘り聞くようなイベントだったのですが、終わった直後にその友人と話したときに、その友人が、ふと「大人になるって楽しいんだってことが伝わってたらいいな」みたいなことを言ったんですよ。

なんて素敵な考え方だと思いました。確かにそれは伝わったらいいなと、とても共感しました。

具体的な想像の可否はどっちでもいい気がします。漠然とでも、大人はめちゃくちゃ楽しそうだと思ってもらう方が、なんとなくいい気がしました。実際に楽しいですからね。一方で、尾崎豊みたいな音楽はなくなっちゃうかもしれません。それはとっても残念だけど。考えれば考えるほど残念ですが、そのためにわざと理解なく、鬱屈させる環境つくるのは気が引けますしね。


50歳の石田ゆり子さんと、3歳の娘と、34歳の友人から、僕は大人になるのは楽しいぞってことは、日々学生と接する身として、親として、体現できたらいいなと思いました。未来について楽観的になってて欲しいのかな。何でもできるぞ、とは言いたい。

変に悲観的になって、変に本質的じゃない準備とかしてもしょうがないですしね。学校とか資格とか。

だからこれから先、40歳、50歳、60歳と重ねていくのかもしれませんが、都度楽しんでいきたいですね。そして、今がピークだと言いたい。意地でも言いたい。それはすごく思いました。一回、パリには行ってみたいです。その空気を吸ってみたいとは思いました。


* * *

ちなみに、この「アナザースカイ」は、良い回だったなと思うものもあれば、反対にそうでもない回もあります。何がちがうかというと、なんでもいいんですけど、ゲストの半生がおもしろいかによるんですよね。感性や、考え方や、生き様です。共感する・しないもあると思いますけど。

だから、どんなに著名な大物でも、おもしろくないときがあります。一方で、どんなに知らなくても、あるいはもともとイメージが良くなくても、劇的にファンになるときもあります。僕にとってはこじはるとか印象的でした。こんなこと背負ってるのか! みたいな、かっこよさがありました。


今日もありがとうございます。
いつも土日はゆるゆるな気がします。あしからず。

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