コーヒーは難聴を引き起こすのか?
久しぶりにあった(高齢の)親戚と話をしていたら、最近耳が悪くなったと言っていました。彼との会話の中で「コーヒーは脱水症状を起こすので耳に悪い、難聴を引き起こす」という話も出ました。
本当にそうなのかnoteにしましたので、ご参考までにどうぞ。
コーヒーを定期的に飲む人は難聴のリスクが低い
韓国で2009年~2012年に行われた韓国国民健康栄養調査における、聴覚及び耳鳴りのデータとコーヒー消費量について、多変量ロジスティック回帰によって分析を行いました。
40~64歳の年齢層について毎日コーヒーを飲む人は、まれにしか飲まない人に比べて、難聴が50~70%少ないという結果になりました。そして用量依存的な関係、飲む頻度が多いほど難聴のリスクが低いという関係がありました。
手放しでは肯定できない話も
過剰にうるさい音にさらされた後のコーヒーは注意が必要?
モルモットの実験にはなりますが、過剰な騒音(acoustic overstimulation events)にさらされた直後の時期においてカフェインを取り続けると、聴力の回復を阻害するという結果もあります。人間でのデータではないので、人間についても言えるのかは分かりません。
メニエール病とカフェイン
メニエール病になると「カフェインを控えるように」と言われますが、カフェインがメニエール病の症状を悪化させるという明確な証拠はまだないようです。
(耳の話ではありませんが)妊婦のカフェイン摂取は少量でも要注意
「1日あたり約50mgのカフェインの消費でも新生児の出生時体重が低くなる」というデータもあり、摂らないで済むのであれば妊娠中はカフェインを控えたほうがよさそうです。
カフェインとは?
中枢神経を興奮させるドラック
カフェインはメチルキサンチン類で、アデノシン受容体をブロック(そしてドーパミン放出の増加を誘導)することで中枢神経系(CNS)を刺激します。
血管収縮作用がある?
カフェインには脳の血管に対して収縮作用がありますが、常用した場合にはその効果が弱まるようです。血管はカフェインによって拡張することもあります。カフェインによって血管が収縮するか拡張するかは、アデノシン受容体の種類によって決まり、A1受容体であれば血管は収縮しA2a受容体であれば拡張します。
【龍成メモ】
通常の量のコーヒー摂取の場合は、利尿作用があるとは言えコーヒーから取れる水分と相殺されるため、「脱水状態」になることはないようです。
Photo by Nolan Issac
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