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私の耳コピ事情

今回は実際に私が耳コピする際にどのように行っているかを紹介したいと思います。
こちらの記事を基に説明いたしますので、合わせてご覧ください。

では早速見ていきましょう。

①構造の確認

今回はMr.Childrenの『HANABI』を例として挙げながらご紹介します。

まずはこの曲がどのような構造をとっているかを確認します。
メモを使って書き留める方がいいでしょう。意外と忘れてしまいますから。
この曲の構造は以下の通りです。
イントロ0:00~
1番Aメロ0:28~
1番Bメロ1:01~
1番Aメロ1:19~
1番サビ1:45~
2番Aメロ2:32~
2番Bメロ2:48~
2番サビ3:15~
Cメロ4:01~
ラスサビ4:21~
アウトロ5:17~
といった内容です。

ラスサビの部分で転調に気づいた方いらっしゃるでしょうか?
1番か2番のサビとラスサビを聞き比べてみたら、曲の雰囲気が変わっているのがわかると思います。

この分析した内容を基にコード、メロディを耳コピしていきます。

②調の判別


さて、続いて調(キー)の判別です。
この曲のキーは何でしょうか?

正解から言うと
この曲はB♭マイナーD♭メジャーを頻繁に行き来しています。
イントロのコードはB♭mから始まり、AメロはD♭開始する。そしてBメロはまたB♭mから始まって・・・というような構成をとっています。

そしてこの曲は前々から説明していた「ベースがドの音で始まる曲は最後もドの音で終わる」という法則が成り立ちません。そんなときにどうすればいいのかというと、部分単位で切り取ってしまうことです。

先程のようにイントロの部分は最初と最後のコードは何なのか、Aメロの最初と最後のコードは何なのか、というように部分単位で調べていきます。このように分析していけば部分単位ではあるが上記の法則が成り立っている場合もあります。

しかし残念ながらこのようにしてもこの曲は最初と最後のコードは一致しません。
今回に関してはイントロの最後の小節、Aメロの最後の小節などで転調してしまっているからです。

このように調が一定せず色々な調を行き来する場合もあります。しかしB♭マイナーとD♭メジャーは平行調の関係です。すなわち、調号が同じである、ダイアトニックコードがほぼ同じという特徴があります。

B♭マイナーとD♭メジャーは平行調の関係

そしてラスサビからは先程述べた通り転調しています。
これは歌でよくある半音上がった状態です。
コード進行自体は1番、2番のサビと同じなのでそれが半音上がった状態です。
サビの部分ではキーはD♭メジャーになっていますから、それが半音上がったということですのでキーはDメジャーに転調しています。D♭メジャーとDメジャーは遠隔調の関係です。遠隔調になると使われているコードで共通して使われているコードが少なくなっているのが特徴です。

そしてアウトロはDメジャーの平行調であるBマイナーから始まるという構造をしています。
今回はキーが定まっておらず、ふらふらしています。色々なキーの使い方は曲によって様々ですので、たくさん聞いてキーの判別の練習をしてみてください。

③コードの耳コピ


曲の構造、キーが判別出来たらいよいよ耳コピの段階です。
まずはコードからはじめます。
コードの耳コピは1番さえ乗り切ってしまえば、2番以降は同じコードを使っていることが多いので比較的楽です。あとはCメロがある場合はそこを耳コピしてしまえばOKでしょう。

コードの耳コピはまずはベース音が何の音を鳴らしているかが重要です。
イントロを例にします。
イントロは
B♭→G♭→A♭→D♭→G♭→G→A♭→A
B♭→G♭→A♭→D♭→G♭→G→A♭

でベースが動いています。
あとはギターやキーボードなどの楽器が鳴らしている音で何のコードなのかを判別します。
基本的にはB♭マイナースケール、D♭メジャースケールの音が使われるのでそれらの基にコードを耳コピしていきます。あとはスケールに含まれていない音を聞き分けできればよいでしょう。

イントロのコード進行は以下の通りになります。
|B♭m G♭/B♭ |A♭ D♭ |G♭ E♭/G |A♭ F/A |
|B♭m G♭/B♭ |A♭ D♭ |G♭ E♭/G |A♭sus4 |A♭ |
(|は小節線です)
ここでのノンダイアトニックコードはE♭/Gです。
これはB♭メロディックマイナースケールの音を使っているものなので、ノンダイアトニックコードには入れない見解もあると思いますが、それはどちらでもよいでしょう。

このように
(ⅰ)ベースの音
(ⅱ)コードの全体
の順番で行えばよりよく行えると思います。
慣れてきたら(ⅰ)と(ⅱ)同時にできるようになります。

これを1番まで終わったらほぼ半分は終わったようなものです。
2番以降は1番と同じ部分をそのまま使ってしまえばいいのです。1番と変わっている部分だけをピックアップしておけばよいでしょう。

これを曲の最後まで行います。

④メロディの耳コピ


いよいよ最終段階、メロディです。
メロディもキーさえ分かってしまえば使われる音が限られてきますので、それに則ってやっていきましょう。

最初は1小節単位で区切った方がいいでしょう。
慣れてきたら何小節かまとめて行ってもよいでしょう。

くどいようですがB♭マイナー、D♭メジャーのスケールの音を使ってこの曲は構成されていますので(ラスサビ以降はBマイナーとDメジャー)、それらを参考に耳コピしていきましょう。
メロディが一番時間のかかる部分です。根気のいる作業ですが、1曲耳コピしていくごとに音への感受性が上がってきますので、ひたすら耳コピあるのみです。いずれやり続ければ③と④を同時にやることもできるようになるでしょう。

終わりに


以上実際に私が耳コピをする際にどのようにやっているかをご紹介しました。
何もわからない状態で耳コピをするよりかは、このように段階を踏んで行った方がより効率的だと思います。量をこなせば、確実に耳は肥えてきます。

さて、次回はコード進行についてご紹介したいと思います。
ダイアトニックコードにはそれぞれ役割を持っているので、その中身を最初はお話していきたいと思います。

次回↓


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