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祈る日々と血

私は昔

水槽で魚を買っていたんです

秋口

ふとショップに立ち寄りまして

なんとも

のっぺりとした欲望を抱えてた

自然に

飼おうとか思ってたの魚を

その魚は

ヒレがうす赤く胴体の底に深い青を刻み込んで

オイ オイ オイ

とでも言いたげに口を操作していて

ハイ ハイ ハイ

といいながら私はその魚を買って

スキップで帰った

豊かになった私の生活の縁で

赤いヒレは

少しばかりの殺意と好意をためこんで

ぬらっと

まばゆく水槽を照らし出したのだった

明くる日に

私が水槽の水を変えてやろうと

ぞわわっと

手を伸ばしたスキに あっ

そいつは

脇腹を噛みちぎって微笑んでいて

いやあ

やられたと思う私は

夢見心地で笑いそれとシンクロした

痛みというのは

まことに、新たな鼓動の始まりでありまして

あれ以来私は

夜にもゆる月を見るたびに

快感で震えてしまうのであり

一歩

二歩

三歩と

振り返る我が歩みのそこここを軽蔑して

鬼の笑いを浮かべるようになりまして候

金棒も無き鬼の宴

遠吠えの寂しさ 恋しさなども

また新規にこしらえて候

ここからはじまるのが宴で

流れ続ける私の血の千年

とかであれば良いなあと

酒を飲み車を飛ばす世の夜に

合掌して あなたを感じているのだ

酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。