あまりもの、の、ぜいたく
どうもこんばんは、りょーさけです。
今日は健康診断でした。血圧がギリギリ正常ライン。オンライン。大坂なおみ選手のバックハンドストロークな堂々たるキワキワショットでした。
その他特に一発アウトな結果が出なくてよかったなあと思っています。
あとはラーメン食って寝てました。ははは。
そして今は茶碗蒸しとポムパイヤソンもどきを目の前に発泡酒と日本酒を飲んでいます。
妻が寛容なことをいいことにいい気になっています。ダメ夫よ。
こういう態度で生きてしまう自分を、ちょっと今日は眺めてみようかと思います。
僕は、酒を飲みます。
夜更かしをします。
無駄だと思う取り組みもします。
本を読みます。
家から20キロ位ある銭湯に深夜に出かけて疲労を取るつもりで逆に運転疲れしたりもします。
料理が上手ではありませんが、なにか意地になってつくったりします。
そのどれもが大体うまく行きません。
びっくりするほど現実的な成果を生みません。
けど、ちょっと自己嫌悪になったあと「まあいいや」と思ってまた始めます。
たくましいのではありません。
強いのでもありません。
こういった計画性がなくて生産的でない行動をとる自分、その理由を眺めてみると…。
どうも僕は今生きているこの状態をすでに「余りの期間」「余剰の期間」だと捉えているからなのではないかという気がしてきました。
どういうことか、ちょっと説明しましょう。
お酒を飲みながらね。
今日はこれです。
秋田のお酒。ゆきの美人貴醸酒。
貴醸酒というのは簡潔に説明すると日本酒を使って仕込んだ日本酒です。
日本酒は米、米麹、水と酵母でつくるのですが、貴醸酒は普通水を入れる場面でお酒を投入して製造されます。
そう、貴醸酒はいうなれば存在自体がとても贅沢です。
お酒を開けてからもう一ヶ月以上がゆうに過ぎていますが、このお酒は酸味がとてもいいはたらきをしているのでへたりません。そう、甘みだけでは酒は開けてからすぐにへたってしまう。へたるというのは「しまりがなく、味の輪郭が崩れてしまっている状態」のことをいいます。酸味が太かったり特徴的なお酒は簡単にはへたりません。
まだ巨峰のような優雅な風味を保っている。酸味は甘みを抱擁するかのようにそこにいる。
なんて素晴らしい酒なんだろう…。ゆきの美人はこのお酒に限らず、美しい。名前通り。見事。
で、主題は私の生き方の適当さでしたっけ?
違うか笑
私が今生きている状態を「余剰の状態」と捉えているってやつの説明ですね。はい。
私はいま28歳です。
若造ですね。
何を言っても「お前なんかに何がわかる」と言われそうです。
言われそうですけど、言いますね?
私は精神的に弱い人間です。
それを見つめるのが日常だと言ってもいい。
28年の短い人生ですが、弱い私にはもうこれまでで辛い出来事が多すぎた。
時に自分のせいで、時に自分に非があるとは思えないような出来事もあって。
小学校の頃は陸上大会で長距離走を必死に走っているだけで「あいつが無様な顔で走ってやがる」と陰口を言われたし、ランドセル以外のカバン持っていっただけで何故か仲間はずれにされるし中学校では頑張って書いたスピーチ原稿を朝イチで先生に見せて瞬時に全部書き直されたし、高校生の時は一人だけ部活でやる気がなくてちょっと浮いてたし、大学では哲学コミュニティに全く馴染めずサークルでも居場所がなくなり半同棲とかしてたけどお相手に卒業と同時に振られたし私は留年したし実は人間関係のゴタゴタで大学の卒業式出てないし、流れ流れてたどり着いたパン屋は苛烈で上司はプレッシャーかけてくるし一回逃げて一日半布団にこもってたし、いろいろ縁があってついに好きな日本酒を仕事にしたけど劣等感しか感じないし…。
(こんなの人によっては屁でもないでしょう。でも、私はとても弱いのです。これくらいで音を上げるのです。どうか「お前の苦労なんか苦労じゃねえ!」と言わずに読んでくださいな。)
でも、だからこそなのだろうか。
今日みたいに休日を平穏に過ごして、息子が自分のつくった親子丼を笑って食べてくれて、家族で風呂に入って、妻が今お皿を洗ってくれて、自分はお酒とつまらんつまみを口に入れていて…。
こういう瞬間が来る度に「うん、これはもうおつりだな」と思ってしまうのです。
これはもう、人生の余剰の部分だと思ってしまう。
強くない私は、今までのどの瞬間で人生が終わってしまってもおかしくなかった。
でも今私は無駄かもしれないけれど好きな書物をやって好きな酒を飲んでいる。
これはもう立派に余剰なのです。
月並みな黄金の時間。飾り気皆無のゴージャスなのですよ。
だからこそお前その時間を大切に生きろよと言われてしまうかもだけど、だからこそ僕は嬉しくてだらしなくなってしまうのです。
好きなことに好きなタイミングで、直情的に動いてしまう。
もちろん全面的に嬉しい感情だけが溢れているのではなく嫉妬を始めとしたなまなましい感情ををいだくこともあります。
でも、僕はどうやらどうしようもなく「なんとかなるしならなくてもいいでしょ。もうこれは余りの期間だから。」と思ってしまう。
いいのか悪いのかはわからないし、どうでもいい。
ただ、日々ちょっとの感謝は忘れたくないかな…。
ゆきの美人がうまい。
やはり酸味が支えている。
甘い部分を、骨格のしっかりした酸味が…。
そんなことを思いながら妻に「今こうやって夫婦やってるのは不思議だねえ」と言いました。
妙に感慨深げに言った夫に妻はキョトンです。
3秒置いて、妻は言いました。
「とーぜん!」と。
3秒置いて私は言いました。
「…必然、じゃない?」
間髪入れずにふざけた表情で妻が返します。
「とーぜんだよ!」
なぜかはわからないけれど、僕はとても嬉しくなりました。
嬉しいので、この記事のタイトルはゆっくり言わせて下さい。
あまりもの、の、ぜいたく
ゆきの美人に乾杯。
酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。