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かえり道の詩

【今日の投稿のまとめ】
・おれは行を開けない形式が、苦手なのです

では本文。

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歩いている、星空の下で歩いている。腹が八分目を上回っている。痛い。左足を出して、次に右足を出して進む。ツタヤだ。扉が重い。中にはレンタルと販売となんやかんやがある。よくこれでやっていけるものだと感心した。数年来聴いている歌手のアルバムを買う。5000円弱、割と高いと思ってしまう。熱が冷めたのか。限定のポスターが付いてくる。かさばる。熱よ冷めたのか。前を見る。店員の笑顔がひきつる。メガネで、内気そうだが、頑張っているのだろうか。自分が毎日接客していた時代を思い出す。あんまり、にっこりしないのもありだなあと、脳内の小言。引きつっている。目尻はたれていて、口角も上がっている。しかしいかんせんエッジが効きすぎて候。緩急の魔力。顔(face)は無表情な方がかわいいこともあるのだと、いやキャラクターならむしろ無表情な方がかわいいと聞いたことがあるけど、人でそのパターンは初だ。世界初。おめでとうおめでとう。この時間に立ち仕事してるのも、それだけで結構すごいよと思ったりする。言わないけど。脳内の小言。秋口でサンマを食べたけれど、まだ暑くておれはこれを秋とは言えなくて、秋にはやっぱり少し心身にくる涼しさがほしい。寒さではなくて、涼しさ。寒ければ凍えるしかないから。涼しさの大気の中で少しあったかい頭で来し方行く末を考えると考えたところで、まだ夏だ。遠近感を失った空が高い。計れない高さを保っておれを包む。圧倒されてしまいそうだ。物理的でない形で。とてつもなく高貴な存在をそこに予感するのは完全に妄想で詮無きことだった。詮無きことってなに。下が砂利道になっていることのほうが気になる。なにしろおれはサンダルだ。そうだ、まだ夏だ。はじめてで28回目の夏だ。死んでゆく。

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なにをうたった詩なのかって?

これは酔っ払いの帰り道だヨ!

酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。