人気のロールキャベツで本格イタリアン!味付けにコンソメなんか使わない献立レシピ
スーパーで小洒落た【ちりめんキャベツ】を見掛けても使い方が分からなくってスルーしちゃう人は多いんじゃないかと思います。
普段は節約していても、たまの週末くらいお洒落な野菜にチャレンジしてみても良いんじゃないでしょうか?
今回はちりめんキャベツを使ってイタリア風のロールキャベツを作っていきます……と思いましたが近所に売ってなかったので断念(笑)
春キャベツでやります。
出来ればブロードは自前で取って頂きたいのですが、面倒な方は顆粒のコンソメスープで代用しても構いません。
ロールキャベツのサイズにも因りますが煮込みは蓋をして5分~10分程度で出来ちゃいますので、圧力鍋を使うまでもありません。
もくじ
■サヴォイ=ちりめんという意味
ちりめんって何だぁ?
イタリアの野菜事情
■基本的な作り方
材料(二人前くらい)
作り方
■カロリー
■上手に作るコツ
顆粒コンソメとブロードの違い
キャベツで包んだ餃子だと思えばグッと身近になる
肉だねは香りを大事にする
ソースはどんな味?
パプリカは色付けのためのスパイス
■ワインを合わせるなら
■サヴォイ=ちりめんという意味
ちりめんって何だぁ?
ちりめんとは感じで【縮緬】と書き、「縦糸と横糸の強さを変えた絹織物を精錬させて縮ませた生地のこと」なんですね。
こうした加工によって出来た模様を【シボ】とも言って、シボレザーなんて皮製品は誰もが一度は見た事があるのではないでしょうか。
このちりめん状の事をフランス語で【Savoy(サヴォワ)】と言うのですが、これを英語読みした【サボイ】または【サヴォイ】と呼ぶのが日本では一般的です。
だいぶ遠回りしましたね(笑)
イタリアの野菜事情
ちりめんキャベツは地中海沿岸が原産地のアブラナ科の野菜で、結球する品種の中でも特に葉脈がボッコボコの、筋張ったものになります。
イタリアではキャベツが北部全域に渡って栽培されており、【カップッチオ(普通のキャベツ)】【ヴェルザ(ちりめんキャベツ)】【ネーロ(結球しない葉キャベツ)】【ブリュッセル(芽キャベツ)】などがあるそうです。
とりわけヴェルザ(=ちりめんキャベツ)に限っては【Cavolo di Milano(ミラノのアブラナ科)】と呼ばれ、北部地方においては東西を問わずヴェルザを使用した料理が多く見られるようです。
ちなみに【カーヴォロ(Cavolo)】というのはアブラナ科の野菜に付く名称で、ブロッコリーは【カーヴォロ・ブロッコロ(Cavolo Broccolo)】、白菜は【カーヴォロ・チネーゼ(Cavolo cinese)】などといった具合で呼ばれます。
「キャベツ」という括りが無いのは不便なようにも思いますが、より正確に分類学的な名称の使い分けをするのは国民性なんでしょうかね?
我々日本人よりもはるかに几帳面な印象です(笑)
■基本的な作り方
材料(二人前くらい)
ちりめんキャベツ 2枚(普通のキャベツを使う時は楕円ではない小玉~中玉が望ましい)
牛豚合挽き肉 200g
パン粉 1/3カップ
小麦粉 小さじ1
ニンニク 1片
パセリ 1/3カップ
たまねぎ 1/4個
パプリカ・パウダー 大さじ1
パルミジャーノ・レッジャーノ 40g
卵黄 1個
オリーブオイル 大さじ1
バター 10g
ブロード 100ml
塩 小さじ1/2
黒胡椒 少々
作り方
①ニンニク、パセリ、たまねぎをみじん切りにする。
②大きめのボウルの表面にオリーブオイルを塗り、牛豚合挽き肉、パン粉、小麦粉、ニンニク、パセリ、たまねぎ、パプリカパウダー、パルミジャーノチーズ20gを入れ、空気を含ませながら優しく混ぜて肉だねを作る。
③②の全体がよく馴染んだら、卵黄を加えて今度は空気を抜くようによく練り込む。(途中、ボウルに肉種が張り付くようならオリーブオイルを加える)
④ボウルにラップをして冷蔵庫で30分ほど寝かせる。(急ぎの時は省いてもよい)
⑤キャベツの葉を捥ぎ、沸騰した湯で1分ほど茹でて柔らかくする。
⑥キャベツがしんなりしたら芯を切り取って切れ目を交差させ、肉だねを置いて巻き込み、葉先を爪楊枝で止める。
⑦フライパンにバターを溶かし、⑥のロールキャベツを弱火でソテーする。
⑧⑦にブロードを加え、蓋をして10分煮込む。
⑨耐熱ボウルにパルミジャーノチーズを20g入れ、⑧の煮汁をスプーンで掬って1杯入れるごとに伸ばし、3杯ほど入れてソースにする。
⑩⑨のソースを皿に注ぎ、ロールキャベツを包丁で半分にカットして断面が見えるように皿に盛り、完成。
■カロリー
りょうりんのロールキャベツ一人前は大体 450 キロカロリーくらいです。
■上手に作るコツ
顆粒コンソメとブロードの違い
顆粒コンソメで作っても十分美味しいのですが、ブロードを使うと次元の違う旨さにぶっ飛びます。
せっかくおうちで本格的なイタリアンに挑戦するのでしたら、一度はこの味を知って頂きたいというのが私の願いなんですが、一体何がそんなに違うのでしょうか?
答えは「ゼラチン質」なんですね。
スープの取り方によってはコンソメの方がしっかりとパンチのある味だったりするのですが、喉の奥に張り付くようなゼラチンのスープは喜びを超えた【悦び】と言えますから。
食事でオーガズムを感じるためには絶対に欠かせないものなのです。
キャベツで包んだ餃子だと思えばグッと身近になる
具材から連想するのはまさに餃子ですよね。
オーソドックスな餃子の種と言えば、白菜、キャベツ、ニンニク、ニラ、豚肉、みじん切りにした豚の背脂。
餃子の場合は冬野菜である白菜とキャベツの甘味が美味しいわけですが、イタリアの【インボルティーニ・ディ・ヴェルツァ(Involtini di Verza)】というちりめんキャベツを使ったオーブン焼きのロールキャベツも具材に刻んだキャベツの葉を入れたりします。
今回のロールキャベツは【ランバスィーチ(Rambasici)】と呼ばれる、イタリアは北部フリウリ・ベネツィア・ジュリア州の州都でありスロベニアやクロアチアの国境に程近い【トリエステ】という町の名物料理を私なりに解釈したものです。
火を入れたキャベツの甘味を存分に味わえる、最高のキャベツ料理の1つだと思います。
肉だねは香りを大事にする
発想としては、パン粉焼きに使う「味付けパン粉」を合挽き肉に混ぜ込んだものになります。
ヨーロッパのパン粉は日本のパン粉と違って目が細かく、ニンニクとパセリ、オリーブオイルの香りが爽やかに香るのが特徴です。
本場気分を味わうなら生ではない乾燥パン粉を購入し、ミキサーに掛けてから使うと良いでしょう。
ワイルドハンバーグ風にゼラチン質の多いヒレ肉を潰して牛肉と黒胡椒のみで肉種を作る、というのも良いでしょうが、私はパン粉に肉汁を吸わせるタマネギ入りのほの甘いハンバーグが好きです。
タマネギの自然な甘味はパルミジャーノ・チーズととても相性が良いので、肉だねに使わないにしてもソースに加えるなどすると良いと思うんですね。
小麦粉を加える理由はカットした時に肉が崩れるのを防ぐためですね。
スプーンで崩しながら食べる柔らかいロールキャベツのがお好きな方は小麦粉は入れず、煮込み時間も5分ほどでも良いと思います。
ソースはどんな味?
至福の味としか言いようがありません(笑)
最近覚えたローマのパスタ料理【カチョエペペ】の作り方からインスピレーションを得ました。
カチョエペペは削ったペコリーノチーズにパスタの茹で汁を加えて伸ばしてソースにするんですが、今回のロールキャベツはパルミジャーノを上から掛ける予定だったんです。
でも「ちょっと待てよ?いっそブロードを加えて伸ばしてソースにしたらどうだろう?」と思ったのが大当たりでした。
パプリカは色付けのためのスパイス
肉だねと言えばナツメグが定番のスパイスですが、先ほど申し上げました通り今回は爽やかな香りを纏わせた肉種を使用していますのでナツメグは使いません。
パプリカは食欲をそそるような褐色をプラスするために使うスパイスであり、味や香りに影響を与えるためのものではありません。
正直言って大さじ1ぽっちのパプリカパウダーではそれほど着色効果もありませんが、まぁ気持ちですよ、無くても良いくらいです。
肉種を真っ赤に染めたい方は大さじ3くらい加えれば良いんじゃないかと思います。
■ワインを合わせるなら
フリウリの料理は初めて登場ですね。
というわけで、まずは知るべきD.O.C.G.の白ワイン【コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ・ピコリット】をオススメしたいと思います。
・コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ・ピコリット
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