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取締役就任という節目のタイミングに2つの挑戦について書きます

はじめに

2021年6月1日にCrezit Holdings株式会社の取締役に就任しました。自分の人生をかけている会社で責任ある役割を担えることを嬉しく思っています。

昨年10月に入社してから7ヶ月が経ちましたが、年末年始にかけて合計2億円の資金調達 (リリース1 / リリース2)を行い、社員数は入社当時の4名から11名に増えました。事業としてもCredit as a Service「X Crezit」の立ち上げにフォーカスする中で事業仮説の解像度が高まってきており、強い手応えを感じている状況です。

今回は取締役就任という節目のタイミングということで、1.チーム、2.リーダーシップという2つの挑戦についてまとめます。


1. 最高のチームをつくることへの挑戦

兎にも角にもチームづくりがすべてだと考えています。それはなぜか?Crezitのリード投資家であるジェネシア・ベンチャーズ田島さんのnoteにシンプルながら本質的なことが書かれているので引用させていただきます。

1.なぜスタートアップは「チーム」でやるのか
この質問に、皆さんならどのように答えますか?
ひとことで言えば、「個人では実現が困難なことを、想いを共にする個人が集まり、持てる力を掛け合わせることで成し遂げるため」だと思います。
言い方を変えると、「個人の持つ能力を、足し算ではなく掛け算にすることができてはじめてチームでやる価値がある」とも言えます。

Crezitが掲げているミッションや目指している事業のインパクトの大きさを踏まえたときに、当然ですが代表のyabebeや僕が頑張って1人でできることは極めて限定的です。だからこそ、①想いを共にする仲間を妥協なく集めること②個人のパフォーマンス最大化を組織のスループット最大化につなげることが最も重要なテーマだと考えています。

1-1. 想いを共にする仲間を妥協なく集めること

スタートアップのライフサイクルは非常にシンプルです。

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ざっくり言えば、どれだけ事業仮説の解像度を高めて実証範囲を広げることができるかに尽きます。そしてこれはどれだけ想いを共にする仲間を集められるかに懸かっていると言っても過言ではないです。

僕たちのようにPMFに向かうアーリーフェーズのスタートアップは、不確実な仮説部分が未だ多く残っている中で、遠く先に見える微かな光を頼りに暗く長いトンネルを全速力で走るような状況です。そのようなタフな環境下でも、遠く微かな光に心を踊らせてカオスを楽しみながら突っ走れる、そんな仲間が加わってくれることは組織にとって何よりも大きなことです。

特にアーリーフェーズにおいて「想いを共にする仲間を妥協なく集めること」は、チーム全員がこの遠く微かな光に心を躍らせることができるかどうか、という点で最重要な要素だと強烈に感じてしています。

僕が4人目社員として入社してから、7人の新しい仲間がCrezitに加わってくれました (入社意思決定済の方を含む)。Crezitのミッションや目指す世界に共感し、このフェーズのカオスさ・不安定さをリスクではなくチャレンジとして前向きに捉え、覚悟を持って飛び込んできてくれた素晴らしい仲間たちばかりです。一人一人との採用面接を今でも鮮明に覚えていますし、入社の意思決定をして頂いたときは毎回心が震えます。そしてこれは今後もずっと続いていくんだと思います。

まずyabebeがミッションという旗を掲げて始まったCrezit、それに共感して入社した僕たち仲間が一緒に旗を掲げて共感する仲間を増やしていく。そういう意味で今の僕たちはこの有名な動画における2人目、3人目のフォロワーであり、これからもカオスを楽しみながら全力で踊り続けていくことで「想いを共にする仲間たち」を巻き込んでいきたいと思っています。

とにかく、踊り続けよう!!!


1-2. 個人のパフォーマンス最大化を組織のスループット最大化につなげること

想いを共にする仲間たちが集まったら、当然ながら個人のパフォーマンス最大化を組織のスループット最大化につなげることが重要になります。

有名なことわざがあります。

If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together. 
早く行きたければ1人で行け。遠くまで行きたければみんなで行け。

みんなで遠くに行くまでの過程で、意見・方向性の相違などさまざまなことが起こると思います。実際に若干11名のCrezitでさえ発生しています。ただ、それはCrezitのことや自分の仕事のことを本気で考えていることの裏返しであり、バックグラウンドの違う人間が集まっていれば当然に起こるものです。

中央集権的な組織ではなく自律分散的な組織を目指していく上では、このような相違が発生したときに基本的にはコミュニケーションによって軌道修正を図っていくことが必要になります。このコミュニケーションはコストがかかるものであり、摩擦とも捉えることが出来ます。この摩擦を最小限にするためにMission/Vision/Valueの認識擦り合わせ情報の透明性を担保する仕組みづくりが非常に重要だと身に染みて感じています。

Crezitは「Optimize Credit, Unleash Potential. / 信用を最適化して、人の可能性を解き放つ。」というミッションを掲げていますが、「どういう状態であれば信用が最適化されるか?」「これから立ち上げようとしているCredit as a Serviceは信用の最適化とどうつながるのか?」という解釈の部分が人によって少しずつズレたりということが実際に起こりました。

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これは自分を含めた経営陣として方向性を伝えきれていないという力不足以外の何物でもなく恥ずかしい限りですが、一方で山の登り方や勝ち方がまだまだ見え切っていないPMF前のスタートアップでは、起こり得ることなんだとも実感しています。

ちょうど立ち上げに向けて動いているCredit as a Service「X Crezit」の事業仮説や解像度が高まってきたタイミングと重なったこともあり、Missonよりも一段具体化したBusiness Visionという概念を新たに追加して、解釈のズレを最小限に抑えるために組織としての方向性を明確にしています。また、情報の透明性を担保するドキュメント文化の構築についても、Mtg Memoの共有徹底や社内の情報整理 (NotionとGoogle Drive)に着手しています。

さらに、Crezitでは6月からQ2がスタートしていますが、組織としてのカルチャーや価値基準を言語化することの必要性も感じてきており、今QでValue策定も進めていく予定です。Business VisionやValueの詳細ついては書き始めると長くなってしまうので、別の機会にまとめたいと思います。

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7ヶ月前にたった4人だった状況から、仲間が集まり「組織」が出来つつある中で、当時は見えていなかったことが見えたり必要なかったことが必要になってきています。今がまさに「個人のパフォーマンス最大化を組織のスループット最大化につなげる」ための土台づくりのタイミングと捉えています。

この7ヶ月間がそうであったように、7ヶ月後、1年後にはまた一段、二段と違ったフェーズに進んでいると確信しています。組織規模もすぐに2倍、3倍へと大きくなっていくと思います。段階的に求められるものも変わっていくと思いますが、柔軟性とスピードを兼ね備え、先を見据えて変化を起こしながら、組織のスループット最大化にチャレンジしていきたいと思います。

みんなで遠くへ行こう!!!この道の先には、まだ見ぬ景色が待っているはず。


2. リーダーシップへの挑戦

僕が好きな本に、貞観政要という中国の歴史書があります。リーダーシップの名著として有名ですが、中国三千年の歴史で最も世が治まった時代と言われている貞観時代の皇帝太宗の言行録で、貞観時代の治の諦がまとめられているので貞観政要です。個人的にこの中の「三鏡」という話をとても参考にしています。

「太宗、嘗て侍臣に謂ひて曰く、夫れ銅を以て鏡と為せば、以て衣冠を正す可し。古を以て鏡と為せば、以て興替を知る可し。人を以て鏡と為せば、以て得失を明かにす可し。朕常に此の三鏡を保ち、以て己が過を防ぐ」
(「貞観政要」巻第二 任賢第三 第三章)

意訳すると、リーダーは常に以下の三つの鏡を持つべきであると述べられています。
① 銅の鏡:自分を写す鏡。常に自分を律し、笑顔で良い雰囲気を作ること。
② 歴史の鏡:将来を予測するために、過去の出来事(歴史)から学ぶこと。
③ 人の鏡:周囲の人からのフィードバック(諫言)を受け入れること。

僕個人としては、自分自身が常にこの三つの鏡を持ち続けると同時に、代表のyabebeや一緒に仕事をする仲間たちにとって③人の鏡になるということを常に意識しています。こちらもジェネシア・ベンチャーズ相良さんが貞観政要についてまとめたnoteの「チーフ諫言オフィサー」というところです。

耳の痛いことをフィードバックし合うには、ヒトではなくコトに向き合っているという前提を共有することはもちろん、お互いがリスペクトをベースに相互信頼を感じている状態を作る必要があります。Crezitには主体的でプロ意識の高い仲間たちが集まっており、フィードバックカルチャーが自然発生的に少しずつ形成されてきていると感じています。

そしてまずは僕自身がこの三つの鏡を体現し続けることで、Crezitにおけるリスペクトや相互信頼をベースとしたフィードバックカルチャーの形成をさらに推進していきたいと考えています。中国三千年の歴史で最も世が治まった貞観時代がそうであったように、このカルチャーがCrezitの大きな強みの一つになると、そう信じています。

Crezitの皆さんには心からのお願いです。三つの鏡を忘れているのでは?と感じたときはすぐに諫言してください!!!そして皆で文化の礎をつくっていきましょう。


おわりに

書いているうちに熱がこもり長文になってしまいましたが、お読み頂いた方はありがとうございました。

Crezitはまさにこれから事業や組織としての土台が出来てくる転換期です。まだまだ整っていないカオスな状況ですが、ミッション/ビジョンから逆算して主体的に行動できる人にとっては、会社をゼロから創っていくという非常にチャレンジングでワクワクする環境があると自信を持って言えます。

想いを共にする仲間を絶賛募集していますので、FinTech、レガシー領域のDX、信用、与信、プラットフォームといった言葉に引っかかった方はぜひ気軽にご連絡ください!

Twitter: ryomura_1110



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