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犬を飼うことってコミュニティ形成に繋がるんだ、と今さら気づいた

子供の頃、カラスの赤ちゃんを家に抱いて帰って来たことがあるそうだ。
「飼いたい!」
と言って。
もちろん、飼うことはなかった。

山でカエルの卵を大量に捕って来て、水槽に入れた。
オタマジャクシになり、オタマジャクシから足が生えて、数匹カエルになった。
大量の卵から数匹のカエル。数匹でも嬉しかった。
世話をしたのは、全部、祖母。

祖母が虎杖浜でクワガタを捕まえた。
「飼いたい!」とワガママを言い、稚内に持ち帰った。
2回越冬した後の夏、庭から飛び立っていった。
捕まえたのも、毎日世話をし2回越冬させたのも、庭で野に放ったのも、全部、祖母。

その間、やれ犬を飼いたい、猫を飼いたい、ハムスターを飼いたい、色々飼いたいと興味本位のみで言っていたが、実現したことがない。
自分では世話が出来ないとわかっていたので、そんなワガママが通るとも思っていなかった。

中学生になった頃には、動物を飼う大変さは十分にわかっていたので、ペットを飼いたいという気持ちも全くなくなっていた。

そこから30数年間、ペットを飼いたい、と思ったことは一度もない。
平均寿命を考えると、ほとんどの場合、ペットの方が先に死んでしまうのはやりきれない。
子育ては自分が先に死ぬであろうからできる。

商店街にできた新しいお店といえば整体ばかり。
高齢化社会、超高齢化社会だからしょうがないのか。
動物病院やペットショップも増えた気がする。
子どもが巣立っていくとペットを飼いたくなるのかな?

ある日、マンションの人が車から出て来た瞬間、おどけたような格好で前に駆け寄った。
パーデンネンをしてるかのような動き。
普段クールに見える人がおどけている。
何事か!?
と思った。
その人の目線の先には、犬を連れた人がいた。
初めて見る人だった。

急におどけたマンションの人は犬を飼っている。
犬に向かっておどけたポーズをしたんだと気づいた。
でも、知らない犬に、知らない人に向かっては急におどけるはずはない。
マンションの人は、その犬と飼い主を知っているはずだ。
犬がきっかけで飼い主同士が繋がるんだ、と気がついた。
犬好きという共通点があれば、人と人が繋がる。
そういうナンパの方法?異性への近づき方?もある、という話をテレビでお笑い芸人がしていたのを思い出した。

犬の散歩は涼しい朝か、日差しが弱まった夕方に行われると聞く。
そういえば、夕方の公園で犬の散歩をしている集団を見かける。
きっと、犬の散歩の時間が同じ人たちが、なんとなくの挨拶からはじまり、だんだん顔見知りになり、毎日同じ時間に散歩をする習慣がついて、集まるようになっていったんだろう。

そんな風にできあがるコミュニティもあるんだなぁ。
飲み屋の常連客みたい。
ひとりでふらっと入れる飲み屋でのコミュニティ形成っていいよね。

病院でいつも集まる人たちが、

「今日、○○さんきてないね。体の調子でも悪いのかな?」

という話をしている、みたいなコミュニティよりも、犬の散歩コミュニティの方が健康的だなぁと思う。

てっきり犬が好き、犬との生活が楽しいとか嬉しいのが犬を飼うということだと思っていたが、地域の飼い主同士が繋がるっていう側面もあるんだなぁと気づいた休日の午後。
犬以外の猫とか鳥とかだと簡単に飼い主同士は繋がらないかもしれない。

これからはコミュニティの時代。
好き、からはじまるコミュニティが一番なんだろうなぁ。

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