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#短歌

〈掌編小説〉 『鯨』

〈掌編小説〉 『鯨』

「僕、実は鯨なんです」
 最近よく顔を見るようになった男はそう言った。私が働いている定食屋でいつも唐揚げ定食を食べている。27歳の私と歳の近そうな男だ。
「わざわざ大海原から遥々いつもありがとうございます」
「いえ、海と比べたら陸なんて大した広さではないので」
「それでも泳ぐよりは遠いでしょう」
「この2本足というのが面倒で」
「いつもはヒレですもんね」
「そうではなくて、4本あるんだったら4本使

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掌編小説・ああたぶんそうじゃないよね三つ折りは四つ折りよりも難しいから

 津崎さんが紙を折っているところを見ていた。A4の紙を三つ折りにしようとして、どこで折っていいか迷って、適当なところで一度折って、もう一度折って、それを茶封筒へ入れた。
 津崎さんは別の部署の若い男と交際しているという噂だった。それは営業二課の松川くんだとか、そうじゃなくて本社ではなく近隣の支店の川瀬くんだとか、確度の高い情報はなかった。
 津崎さんは僕たちの部署の中では最も若い女性で、最も仕事を

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