見出し画像

"自尊心を育むために惜しみない努力を続ける"  『美容は自尊心の筋トレ』を読んで2/2

まず心に刻みたい「自尊心を育むために惜しみない努力を続ける」こと。

綴られたメッセージはもちろん、この本を書くに至るまでに不断の努力を続けてきたであろうことが、考え・エピソード・お薦め美容法の紹介etcあらゆるところから伝わってきた。

昨日書ききれなかった、「ものすごく共感したところ」と「この考えは大切にしたいというところ」を挙げて締めくくりたいと思う。

”「イタい」という感覚がどこからくるものなのかを辿ると、「ずっとそういうものだったから」「一般的にこういうものだから」という、普通や常識に行き着く” (87)

大切にしたいこと④

「おしゃべり男はモテない」と小さい頃親に、世の通説のごとく言われた記憶がある。根拠はなんなのか、そしてモテることが大切なのか。

「男はいらないことを喋るから」が理由だった気がするが、どうしてぼくに非があるような前提があるのか不思議だった。

そして「モテない」こと。強がりではなく、モテるために生きているわけではない。「モテた方がいいじゃん」「じゃあなんのために生きてるの?」という人もいるだろう。いつも返答に困って「ほら〜!」となる。

うまいこと表現できないが、「モテ」ではなく「愛」を求めていること、「モテ」と「愛」が明確に違っていること、「愛」には思いやりやお互いを敬う気持ちがあること、それを求めていること、を自覚している。

その手の”普通”や”常識”は、傷が少なくて済む防衛線として機能することはあるが、徐々に自分を蝕んでいく。

自分の中の普通や常識をアップデートし、
みだりに他人に押し付けないデリカシーこそ大切だ(89)

この感覚を大切にすれば、イタさが個性に変わる。他者を攻撃し、蚊帳の外に追いやるようなことにはならないだろう。

なんのわかりやすい役割を担っていなくても、人間の尊さは変わらない。生きているだけで100点。

共感したこと④、大切にしたいこと⑤

何度も身近で耳にした「女性の働き方のロールモデルになってほしい」「女性管理職を目指せ」的なノリに、言いようのない違和感を感じる。「その人自身はどこに行った」と。

おそらくではあるが、「会社の多様性の広告塔」になるために日々働いている人は多くはないと思う。

ぼくが「会社の顔となるエンジニア」のような見出しで大々的に紹介されたら嬉しいだろうが、「常日頃からそれらしく振る舞いなさい」というような、その役割と個人を結びつけるようなことはあるべきではない。

「女性マネージャが大活躍!」はあるかもしれないが「男性プロダクトマネージャが活躍!」は見たこともない。性別・役割・個人は相容れないものであってほしい。

その人から役職・役割をとっても、その人間性はかけがえのないものだ。

「老化」を「劣化」と表現する謎

”平均年齢45.9歳の国で年齢を恥じると詰む”(126)という節で、「劣化」「美魔女」と行ったワードに触れた。

ネットニュースやSNSなんかでよく見かける「劣化」という誰得ワード。

まだまだ自分は大丈夫だと思いつつ、いつか足を踏み入れるその時代が怖くもあった。

でもこうやって美容を通して自分と向き合うと、考えがアップデートされているのがわかる。自分の小さな変化に気づくようになる、それがたとえ老いによるものであったとしても。その自分の小さな変化と正面から向き合って、「じゃあどうしようかね」と自問することが”美容”のひとつでもあると感じる。

「劣化」という言葉は、外野からしか投げられない、理想の押し付けから生まれるものだ。蹴り飛ばしていい。

あの人たちはなぜお年を召されても輝きを放ち続けるんだろう。きっと、自分と向き合い、自分を愛する努力を惜しまなかったからだろう。

最後に

自分が美容をきちんと始めて以来出会った考えや感覚が、この本にズバズバ書いてあってちょっと怖くなった。美容を通してちゃんと自分に向き合ってこれたんだ、と誇らしくもなった。

そしてぼくは影響を受けやすい人間である。「これいいよ〜!」と勧められたものはすぐ買うちょろい消費者だ。

例に漏れず、本で紹介されていたものをポチってしまった。

影響を受けやすい分、まず自分に全部取り込んで濾過し、自分に合ったものを取り入れることが自分の良いところだと思っている。


そして一番気に入っているのはここ。

いつもご機嫌でいるということは、決してお気楽で能天気な鈍感人間になるということではない。自らをいたわり律して他人を思いやりマイナスな事象を分析して消化する不断の努力と胆力が必要なのだ(112)

ご機嫌な人に心底憧れている。この文のおかげで、憧れで終わらなくなるかもしれない。ぼくのまわりにいる美しさを感じる人は、ニコニコしてご機嫌な人たちばかりだ。美しさとご機嫌は隣り合わせ、はたまた不断の努力と胆力とも隣り合わせなのだ。

美容は自分と真正面から向き合い、時に律し時に褒め、自分を愛すること。

美容の旅路はいつまでもつづく。


親にデパコスを贈りたいです。