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英語的な表現

 英語を日本語に翻訳すると、「~的」という表現を安易に使いがちになる。臨床的、診断的、治療的、解剖学的、生理学的、などなど。もっと自然な日本語にできないだろうか?

 例えば、

The diagnosis is made endoscopically.

なんていう文章があると、「診断は内視鏡的に行う」と 訳したくなるかもしれないが、もっと簡単に「内視鏡で診断する」といったほうが日本語的にはしっくりくるように思う。あっ!自分で言っておきながら、「的」を使ってしまった。しかも、前に「自分的翻訳作業の手順」なんていうタイトルも使っている。

 ちなみに、使いすぎのきらいがある「なになに的」表現だが、『この英語、訳せない! headは頭?顔?首?』によると、元々は明治初期に形容詞の語尾”-tic”の音訳として発明されたのだとか。「ティック」→「的」なのである。例えば、”romantic”なら「浪漫的」といった風に。

 すっかり日本語的に一般的になり日常的に使用されている「的」表現だが、元はといえば英語の音から来たというのは非常に面白い。