ヤる！

『どんなに好きな女でも、一度ヤッてしまうと、征服した気持ちになって、それ以降はどうでもよくなるねん。オレ こんなんじゃアカン気がする、どぉしたらエエんやろ』
昼食後の休み時間の教室で、突然 友達が言い放った衝撃的な悩み相談。

当時 チェリーな高校生の私は、そんな問いかけに回答できる術を持たず、いや それよりもなによりも、圧倒的な羨ましさと、そいつとは別次元にいる自分に対する寂しさ、ヤるという行為に果てしなく遠いところにいる悲しさ、ヤッた事が軽々しい行為に思えたことからくる怒り… そして妄想。

『大人の階段のーぼるー　君はまだシンデレラさぁ♪』H2Oの曲がココロに染みる。
この歌詞に出てくるシンデレラの君は、まだヤってない。
『It's all right 抱いたっていいんじゃない、焦げた素肌をー　あー夏休みぃー♫』TUBEよ、お前らは確実にヤっている！

ヤっていないとヤっている、子供と大人、純粋と不純、善と悪 … 感情が混乱した時は、自己防衛本能として、自分に都合が良いように、価値基準をできるだけシンプルにする癖がある。

そんな私も、いちおう大人に分類されてからかなりの時がたつ。
チェリーでなくなっても妄想癖は変わらない、不純にまみれた愛すべきバカちんです。

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