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オンライン商談を録画してもいいのか?

アンプトークというZoomなどの商談を書き起こし解析するプロダクトを販売しているamptalk株式会社の代表の猪瀬です。

新型コロナウイルスの流行以降主流となったオンライン商談での録画の可否に関してセミナーを行なったのでその内容を簡単にまとめます。

免責事項:本コンテンツは当社が専門家に確認した内容にはなりますが、各社によって見解が異なる可能性もあるため、自社の法律の担当者に必ず確認してください。

オンライン商談を録画することは良いのか?

結論日本国内であれば問題ありません。海外が絡むとそれぞれ現地の法律がありますので各国確認された方がいいです。では、なぜ日本ではいいのか?日本では法的に参加した人が録画・録音する分には参加した人の同意を取らなくても問題にはなりません。

ただし、参加していない人が録画・録音をすることは盗撮・盗聴にあたるので違法性が出てきます。例えばカフェなどで商談をしている人を後ろから撮っていたら違法になるのと同様の解釈かと思います。


個人情報とは?

一旦整理のために個人情報をまとめます。

下が個人情報保護法の個人情報の定義の部分です。

この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。次項第二号において同じ。)で作られる記録をいう。第十八条第二項において同じ。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)
二 個人識別符号が含まれるもの

個人情報保護法第2条より引用

法律用語が多くて、素人にはなんだか良くわかりません。下記にわかりやすく記載します。

個人情報とは、生存する個人に関する情報であって、特定の個人を識別することが出来るものを指します。それは他の情報と照合することにより、容易に特定の個人を識別することができるものを含みます。
具体的には
・氏名
・メールアドレス・電話番号
・本人が判別できる音声・映像

などです。

つまりオンライン商談の中には個人情報に含まれる情報が多分に含まれることになりますが、録画・録音ファイルをかなりセキュアに取扱うことは前提としつつも、相手に許可を取らずに録画すること自体を禁止する法律はございません

要配慮個人情報とは?

ただし、個人情報の中にも更に厳格な要配慮個人情報というものがあります。こちらに関しては要注意です

 「要配慮個人情報」は、不当な差別、偏見その他の不利益が生じない
ように取扱いに配慮を要する情報として、法律・政令・規則に定めら
れた情報です。
 人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被っ
た事実等のほか、身体障害、知的障害、精神障害等の障害があること、
健康診断その他の検査の結果、保健指導、診療・調剤情報、本人を被
疑者又は被告人として、逮捕、捜索等の刑事事件に関する手続が行わ
れたこと、本人を非行少年又はその疑いがある者として、保護処分等
の少年の保護事件に関する手続が行われたこと
が該当します。

個人情報保護法ハンドブックより引用

上記はあまり頻繁に話す機会が無いとは思いますが、注意すべきは病歴で、アレルギーの既往の話や、コロナ感染歴の話もれっきとした病歴に該当します。本人が自ら話した場合は基本的に同意したものと考えていいですが、その場にいない上司の話などで個人が特定できる形で公表する場合は注意が必要です。(これは話し手の問題にもなるので営業サイド以外も注意が必要ですね)

要配慮個人情報自体は取得が個人情報保護法20条2項にて制限されておりますが、基本的には本人が話している時点で同意が取れていると考えるべきですが、録画されているのを知らなかったので取得時点で同意が有効ではなかったというリスクもあるかと思われます。

録画を相手に通知すべきか?

近年、ツールによっては画面をこっそり録画したりできるツールもありますが、基本的には違法性はありませんが、要配慮個人情報が話されるリスク及び、倫理的無観点で相手に告知するほうが良いと考えられます。

Zoomの入室時免責事項の表示

Zoomは録画開始時に許諾が出るので使いやすいのですが、更に入室時の免責事項の設定が可能となっております。

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プライバシーポリシーへのリンクなども可能になっているので是非おすすめです。

上記がまとまったホワイトペーパーのダウンロードリンクはこちらです。追加の質問なども含めて記載されておりますので是非ダウンロードしてみてください。

IP電話やオンライン商談の書き起こし・解析ツールのアンプトークもご覧いただけると幸いです。

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