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お気に入りの本 物語編


少し前に、好きな本を紹介しますと言って
やっていないのが胸に引っかかっていました


今回は物語編で、いつか物語以外編 をやりたいと思っています


①ののはな通信 / 三浦しをん

女子高生同士の恋愛模様を描いた作品です。
切なくて苦しくて、ぼろぼろ泣いて、泣きすぎて文字が読めなくなって本を閉じてまた泣いていました。

私は心に残った文章をメモに書き溜めているのですが、過去一番に引用した文が多かったです。

私はね、ただ闇雲に大勢が行くほうへついていって、思考も感情も放棄するぐらいなら(放棄したことにすら気づけないほど、ボーッとしてるぐらいなら)、痛い目に遭っても、成果を上げられずむなしいばかりでも、自分の意志で、あるいは風に乗って、羽のおもむくままに飛んでいきたい。見聞きしたこと、感じたことを、自分の頭で味わい咀嚼したい。

ののはな通信

時間が記憶の研磨剤だってことかしら。磨くに足る記憶が私たちにあること、磨いたらキラキラしはじめたこと、お互いに感謝しましょう。

ののはな通信

遠く隔てられればそれだけ、想像力が強く深く羽ばたき、一人になればなるほど、だれかを身近に感じる

ののはな通信



②生きるぼくら / 原田マハ

絵画をテーマにした彼女の小説が好きなのですが、こちらはAmazonで表紙を見かけた瞬間に心掴まれて読みました

東山魁夷の「緑響く」

あらすじは、学生時代のいじめが原因でずっと引きこもりの24歳の主人公が紆余曲折あって蓼科へ行き、米作りをするという成長ものです。

年齢的にも近く、境遇は違えど人生が停滞していたタイミングでこの物語に出会えたのはひとつの運命だと思っています。


この表紙で日本画家・東山魁夷を知り、彼の画集も3冊ほど見ました。
緑凪の目指す境地が鮮明にイメージできるようになりました。

凍れる冬。水温む春。灼熱の夏。豊穣の秋。巡る季節。草木のそよぎ、花々の目覚め。子鳥のさえずり、虫たちのうごめき。おおらかにたたずむ八ヶ岳の峰々。美しい場所。ふるさと、蓼科。

生きるぼくら

こんなに美しい自然の描写があるんだと震えた文章です。




③1Q84 / 村上春樹

全3巻で総ページ数1500頁を超える、分厚い長編物語です。

ジョージ・オーウェルの1984年に少なからず関係していますが、読んでいなくても充分楽しめます(私は以前挫折しましたのであらすじ程度しか理解していない状態で読みました)。


使われている言葉や文章から影響を受けて、作ったネイルチップもあります。


百合は大きく、瞑想に耽ける異国の小さな動物のようにもったりしていた。

1Q84 BOOK 2

綺麗な比喩。空気感が伝わってきます。

希望のあるところには必ず試練がある。ただし希望は数が少なく、おおかた抽象的だが、試練はいやというほどあって、おおかた具象的だ。

1Q84 BOOK 3

物語の途中に、現実に引き戻される感覚が心地よいです。この堅苦しく厳密な文体が彼の作品全体を覆っているのですが、好きです。


いったん期待が生じると、心はそれをきっかけに独自の動きをとり始める。

1Q84 BOOK 3

よくこのような言い方を思いつくなあと感嘆します。
シンプルで抽象的なのに、的確。

ファンタジーとSFと現実を行き来するような不思議な世界観に没入できます。


私は近所のこぢんまりとした図書館によく通っているのですが、閑散としていて読書に耽けることができます。
私にとってすごく大事な時間です。

物語によって救われた経験が沢山あります。
これまでに読んだ物語は自分の中に蓄積されて、必要な時に取り出して味わえます。


また、紹介しますね。



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