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続2:【UXの失敗記録】なぜ、ばあちゃんはiPadを使わないのか?

ばあちゃんにiPadを与えて半年ほど。少しは使えるようになってきたばあちゃんとiPadの奮闘記。成功も失敗も詰まっているよ。

テキストの概念の獲得

ばあちゃんはテキストを打つことを覚え始めている。ただし削除の概念がまだないため、削除のボタンを教えたが忘れていた。

誤字や脱字あるものの、まあ意味が通じるので普通にLINEできる。シンプルに成長を感じて嬉しい。

自分の娘や妹たちとも履歴を見るとLINEしている。通知に気付かないことが多く既読になるまで時間がかかる。この理由は後ほど判明する。

まあ、そんなうまいこと続きではない。テキストの代わりに画像送信を忘れる。Use it or lose it状態を身に沁みて実感する。

テキストと画像を分けたほうが良いのかと思って区分けしてみた。が、結果として失敗した。写真アプリから転送するためのステップが多いので結局また忘れられた。

機械への態度

既読がつかない理由がこれだ。「常時ONであることは機械にとって悪いこと」という認識がばあちゃんにはある。使う時は電源を入れる、使い終わったら切る。この習慣を突破できなかった。

しかし、よく聞いてみるとバッテリー切れを心配していたようなので口酸っぱく伝えて、月曜日に充電してもらうことにした。これでとりあえず、電源の概念が通常ばあちゃんが触れる機械とは異なることを印象づけた。

このタイミングで帰省していたので、諸々のiPadの調整をした。こういうの大事。小さいけどこういうストレス消すの大事。

またその他のアプリも通知などでモーダルが出ると「知らない画面が勝手に出てきた」となり、触らなくなる。✕の意味だけ早く覚えて欲しい。

YouTubeは順調に使いこなしている。

検索はまだ🔍の意味を理解していない&アイコンが小さいため無視されているが、レコメンドのおかげで見るようになっている。

料理YoutuberのリュウジさんをTVで見たのがキッカケでいろんな料理レシピを見れて楽しいと言っていた。でも一番おもしろいのは酒を飲みながら料理作るところらしい。

家の畑で野菜とかいろいろ作っているし、料理をかれこれ60年くらいやっているので関心があったのかな。外的なインセンティブだけど取っ掛かりには良かったのかもしれない。しかし、Youtube業界の厳しさをこのあと体感した。

長い時間軸で生活を見る

長めの帰省でよく分かった。「ばあちゃんは、忙しい」

年金生活だからゆったり暮らしているわけではないアクティブシニアなばあちゃんはとても忙しい。

普通に家事もこなしながら突発的なインシデントに(友人の来訪や訪問販売、近所の人からの長電話)も対応していくので意外とハード。

1日の流れががっちり習慣化していることもあり、iPadが入れる可処分時間が少ない。これまで2日間程度の帰省だったので長い時間軸でばあちゃんの生活を見たことがなかった。

帰省中に手取り足取りLINEを教えた効果が出たのかテキストメッセージとLINE電話はやっとマスターレベルに達する。短期間で反復させるの大事。

YouTubeレコメンドで1人前食堂さんに出会ったらしく、鞍替えした模様。

カメラはまだ使いこなせていない。どうしても強く押してしまう。さらに撮れているかの確認がしづらいので、不安になり何度も押すためカメラロールがすぐ同じ写真でいっぱいになる。

どれだけ強く押しても1枚しか撮れない設定とかないのか…。

徐々に徐々に

個人的にこれが一番うれしい。「みてね」に関しては、「ひ孫の写真がたくさんこれで見れるよ」としか教えていない。

LINEでの経験を活かし、テキストボックスの存在とインタラクションを理解し、自分で「みてね」に応用したと思うと娘の成長と同じぐらい嬉しいぞ。

前回の帰省で教えすぎてしまったので、iPadを教えられて使うものな印象を与えてしまったかなと思っていた。が、ひ孫インセンティブに助けられた。

お坊さんが書いた家族別守護神一覧的な画像を送ってきた。2枚同じ画像だったけど送信時間から考えて、これは一人で送っているものだと推測できる。

これはかなり自信がついているに違いない。

しかし、まだ人前で触るのは抵抗があるそう。「まだ使えない」マインドセットがあるので、ひ孫インセンティブをフル活用して内的なインセンティブへ変化とアイデンティティの変化引き続きを促したい。


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