人生のTBDを一刻もはやくFIXさせたいおんなたち
「結婚したーい」
ということばを、ゆるふわ女子の労働からの脱却大作戦を目論む甘えた発言でしかないと思っていた24歳のわたしを叱りたい。
26歳の秋。
久しぶりに同じ最寄駅に住んでいる同期たちと集まったら、今年中にみんなこの街を出ていく、という話をされた。
私が住んでいるのは、都心から少し離れた駅で、友人たちは「東京っぽい」街で新生活をスタートするようだ。
わたしは、「人生の進捗がダメです」、といわれているような気がした。小さな駅の小さな町の小さなワンルーム。上京して、東京の街の事も知らずにはじめた新生活は、3年経ってどう変わっただろう?
おんなのこの人生の「進捗管理」を整理する
おんなのこの20代の時間は「進捗管理」がとにかく大事だ。なぜなら、「おんなのこの人生」のイベントが20代後半〜30代に固まっているから。
例えば、31歳で子供がほしいとする。妊娠は30歳。結婚してから2年くらいは新婚生活がほしいなら結婚は28歳。結婚するならその相手とは2年くらいは付き合いたい。じゃあ、運命の人とは26歳で出会わなければならないね?
私は23歳くらいから一生懸命合コンや婚活に勤しむひとたちを「リッチな人と結婚して専業主婦になりたいひとたち」のタイムスケジュールだと思っていた。だけど本当は、仕事を頑張りたいおんなのこたちこそ、このタイムスケジュールを意識しなければならなかったのでは?と最近思う。
***
仕事でよく「TBD」ということばを使う。TBDとは「To Be Determined」の略で「まだ決まってないんで、後々FIX(決める)しまーす」の略である。
さっきのタイムスケジュールの初期ステータスはこんな感じだ。
子供ができる時期:TBD
結婚する時期:TBD
彼氏:TBD
苦しいのが、この状態だと割とおんなのこの人生のタイムスケジュールが決められないことだ。それはなぜか?
子供を作る時期:30代前半まで
結婚する時期:30代前半まで
彼氏:30歳まで
そして
仕事で自分の居場所を手に入れる時期:30代前半まで
みたいに、締切がほぼ同時期のような気がしているからである。
就職するのが22歳(私は留年して23歳だった、院卒は24歳とかかな)。ざっと3年くらいで、ある程度すべてのプロジェクトに対しての進捗を出しておかなければならない。恋愛・結婚・出産すべてはだいたい短くて1年くらいのプロジェクトだから、まあほとんど同時並行で進める必要があると言っていいだろう。
大変なのが、締切に間に合ってもプロジェクトは終わらないということである。結婚・出産を無事リリース(世の中に対して実行)できたとして、運用フェーズにもある程度コミットしなければならない。同時並行のプロジェクトは引き続き継続するようだ。
仕事も誰かとの共同生活も、こどもの育児も、慣れがでてきたとして、どうやって設計するんだろうか。それを設計するためには、タイムスケジュールがキモになる。どれをどの時期に持ってくるかによって大きく人生が変わる。どれも一度にすることは無理だ。
そして時期がずれたとしても、どれもきっと楽しいだろうけど、全部やるには結構大変そうである。「近くに住んでいる親ヘルプ」「体力2倍ドリンク」「いろんなアイテム買うための大量のコイン」みたいな強化アイテムがひとつくらいはほしいところだ。
一般女性のロールモデルはどこにある
「おんなのこのロールモデルっていないですよね」
とある女子会でそんな話になった。どんなふうに将来なりたいですか?と聞かれても、あんまり思いつかない。キラキラしたミライを生きている女の人はみんな、何かしらの「強化アイテム」を持った超人のように見えてくる。
優先順位をつければきっと、複数プロジェクトもそれなりに回るんだろう。だけれど、全てのプロジェクトがわたしに「今しかないよ」と囁いてくる。自分がいま走らせているプロジェクトをミライでどうやって運用していくのか、想像するための参考がなくて、ミライは全く「TBD」だ。
日本人は「絵を描く」のが苦手だと思う。「誰かが描いた絵をなぞる」ほうがずっと得意だ。だけれどおんなのこの人生は、時代ごとにものすごいスピードで先人ばかり気にしていても仕方ないらしい。
進捗を気にするなとは言わないけれど、すべてのTBDタスクは、大きな方針がなければFIXしない。手を動かしながら、自分のミライに思いを馳せて、とりあえずは全力で走るのが良さそうだ。
***
とある蕎麦屋で呑んでいるときに、引っ越しの話をしていて、尊敬する人がわたしに言った。
「引っ越したいっていうけど、あなたはどんな人生を生きたいの?それが決まらないと、生きていて楽しくなる街も決まらないよ」。
わたしが「この街を出たい」と言ってから、一年ぐらいが経とうとしていた。だけど、ずっと、一年ぐらい、「住みたい街」が決まらずにいるのを見透かされたようだった。
その日から、「この街を出るため」の家探しをやめることにした。「東京っぽい暮らし」を追いかける検索条件をやめた。焦っていた物件探しの締切を仕切り直した。
この街を出るのはいつになるだろう。いや、この街の次に住みたい街を見つけるのはいつになるだろう。ひとまずは、それを見つけるところから必死になっていきたいと思う。
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