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#人権

利用者同士の物のやりとりの支援について

利用者同士の物のやりとりの支援について

私は、障がいのある人が利用する事業所を経営しています。法律では、私たちのような事業者は、利用者の人権に配慮した支援をするための措置が義務づけられています。私の法人では、月に一回、担当者と人権に配慮した支援を実現するための話合いの場を設けています。(今はオンラインです)

今回のテーマは、利用者同士で物をあげたりもらったりすることについてです。

善意のはずが悲しい結果に…利用者同士で、物をあげたり

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印鑑は自分で押そう

印鑑は自分で押そう

障害福祉サービスの利用契約は、利用されるご本人と契約を結びます。ご本人の状況によりご家族が代理で契約を結ばざる得ないときもあります。しかし、ご本人のいない場所で契約を結ぶことはありません。

そのため、障害福祉サービスを利用されている人は、印鑑を押す機会が頻繁にあります。利用契約を結ぶときは契約書だけでなく、支援内容を記載した支援計画書に印鑑を押します。また、サービス利用期間中は、定期的にモニタリ

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主賓を間違えてはいけません

主賓を間違えてはいけません

障がいのある方の支援をしています。もう30年以上も経ってしまいました。何年続けていても、ついおろそかになってしまうことがあります。大事なことを忘れないためにここに書き留めます。

障害福祉サービスにおいて利用者主体は大原則です。これは何度もnoteで書いてきました。

障害福祉サービスの利用は2003年から契約になりました。それ以前は、措置という行政処分でした。契約は利用者と事業所が直接契約を結び

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されたくない支援

されたくない支援

障がいのある方の支援場面において、支援者は常に利用者にとって最善であることを考えて支援をしています。しかし、反対にその最善を尽くそうという行為が人権侵害につながったり虐待になってしまうことがあります。その背景にはパターナリズム的な考え方が潜んでいます。

障がいのある方の支援をする者は「支援者」と呼ばれます。以前は「指導員」でした。さらにその前は「先生」でした。しかし、残念ながらいまだ指導者が抜け

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【人権について】ドレッシングは誰がかけるのか

【人権について】ドレッシングは誰がかけるのか

障がいのある方の支援をしています。もう30年以上も経ってしまいました。何年続けていても、ついおろそかになってしまうことがあります。大事なことを忘れないためにここに書き留めます。

人権は意識していないとすぐに落ちてしまいます。また、人権を意識するポイントは生活、支援のあらゆる場面に存在しています。たとえば食事のこんな場面にもポイントがあります。

サラダにドレッシングをかけます。私たちはある程度の

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笑顔の向こうにある哀しみや辛さに気づこう

笑顔の向こうにある哀しみや辛さに気づこう

障がいのある方の支援において利用者も支援者も笑顔でいることは絶対条件です。しかし、支援者は利用者の笑顔を勘違いしていることがあります。さらにそれが人権侵害になってしまうことがあります。多くは次の2つです。

支援者が誤解している利用者の笑顔

・支援者が怒っているから笑顔をつくっている
・その場の雰囲気で苦笑いをしている

支援者の言葉が、100%利用者に届いていると思っているのは支援者の自己欺瞞

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連絡帳は必要か

連絡帳は必要か

障がいがある成人の方が利用する事業所を運営しています。その事業所を利用する方たちは、連絡帳というものを使っています。

連絡帳は、日中活動事業所とご家族、もしくはグループホームの世話人さんとの間のやりとりに使います。毎日、双方がコメントを書きます。それを利用者さんが持ち運びます。でも私はこの連絡帳が必ず必要なのか疑問を持っています。

連絡帳は、私がこの障がい福祉サービス事業にかかわった30年前か

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利用者さんの呼び方について

利用者さんの呼び方について

障がい福祉サービスを提供する事業所においては、利用者さんのことを、名前で「○○さん」と呼ぶことが奨励されています。以前は、〇〇ちゃんと呼んだり、呼び捨てで呼んでしまうことがありました。今は一般的ではありません。しかし、事業所においてはなかなか統一できずにいます。またいろいろな議論がされています。

支援者の言い分では、「ちゃん」や「ニックネーム」、「呼びすて」の方が親しみがわく、親近感がある、仲間

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「私は能力がある」この目標を忘れない

「私は能力がある」この目標を忘れない

「支援者会議」という会議があります。障がいのある利用者さんを支援する関係機関が集まって支援方針を提案したり、確認したりする会議です。またその場にはご本人も参加します。

利用者さんによっては、その場できちんと自分の考えを主張される方がいます。以前は、そういう場は少なく、支援者主導で支援が進められていたので大事な時間です。

しかし、利用者さんの中にはそういう場が苦手な方もいます。また、その場に参加

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それも個人情報です

それも個人情報です

個人情報の取り扱いには細心の注意をはらわなければなりません。しかし、どこからどこまでが個人情報にあたるのかがはっきりせず、支援者たちは悩みます。

私の場合、妻も同じ法人で働いています。2人の娘も休日等にはグループホームに遊びに来ます。入居者の皆さんのことを知っています。ゆえになおさら気をつけないければいけません。

休日の昼間にグループホームに勤務する場合は、前の日に翌日、グループホームに残って

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