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笑顔の向こうにある哀しみや辛さに気づこう

障がいのある方の支援において利用者も支援者も笑顔でいることは絶対条件です。しかし、支援者は利用者の笑顔を勘違いしていることがあります。さらにそれが人権侵害になってしまうことがあります。多くは次の2つです。

支援者が誤解している利用者の笑顔

・支援者が怒っているから笑顔をつくっている
・その場の雰囲気で苦笑いをしている

支援者の言葉が、100%利用者に届いていると思っているのは支援者の自己欺瞞です。言葉はお互いが同じ条件で成立している社会でのみ通じ合えるものです。支援者と利用者は同じ条件の社会では生活をしていません

何か問題が生じて、もしくは支援者が納得いかない事態が生じて支援者が怒っています。支援者は自分の言い分が社会一般的だから絶対に自分が正しいと思っています。しかし、支援者と利用者は同じ社会で生活をしているとはかぎりません。利用者は支援者がなぜ怒っているのかその理由がわかりません。ただし、利用者から見ても目の前の人が怒っているということは直感でわかります。だからその場をとりつくろうと思って笑います。すると支援者は「何、笑っている、反省しなさい」ということになります。

最近、「いじる」という言葉を耳にします。人の仕草や言動をおおげさにとりあげ、それを複数の人で笑いのネタにするような行動です。いじっている支援者は楽しそうです。それを見ている他の利用者も楽しそうです、いじられている当人も笑っています。支援者は、今ここにいる全員が楽しんでいると思い込みます。しかし、いじられている当人は楽しんでいるのではなく反論することができず笑っているだけということがあります。またいじられている利用者が「やだー」「やめてよー」というと、さらにそれがいじられるネタになってしまいます。

意図的ではないにしろ、ちょっとふざけたことが相手を傷つけてしまうこともあります。そんなときはごまかさず、すぐに真摯に謝ることをしなければいけません。

笑っているから幸せであるとはかぎりません。私たちは笑顔の向こうにある哀しみや辛さに目を向けることが必要です。

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