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異種格闘技決戦



それは、すべて終わらせるはずの朝だった。


アイツは精神が研ぎ澄まされたような表情で
朝一番に、乳酸菌いっぱいのヤクルト団を連れて戦場のトイレへと重い腰を上げたんだ。



いや、たしかに
乳酸菌を含む最強軍団とタッグを組んだことを、オーディエンスは当然に批判をしてきたが

アイツは、なんとマイクパフォーマンスで一喝!


奴らを黙らしたんだ!

これには本当に驚いたよ!



そして、おもいっきりマイクを地面に叩きつけたあと
一畳弱のリングに幕開けの鐘が鳴ったんだ。


今回の敵は、宿敵だとお互いに思っていることだろう。

生半可な気持ちでは勝てないのは、僕よりアイツの方が充分に解っているに違いない。


陰で見てたんだ。

この日の為に、アイツはどれだけ努力をしてきたかをね。



もちろん、スーパーにいる乳製品への根回しは万全だった。

ペーパー達には特に気を遣ってた。


そして、勝敗を左右すると言っても過言ではない
後片付けの先駆者、クイックル集団とも熱い友情が垣間見れた。


あと戦友の乳酸菌とは、もう心で通じあっているから大丈夫だ。



この勝負、勝ったも同然だった…。



なぜ?



どうして?


一瞬、意味がわからなかった。


今でもあの瞬間が思いだせない。


得意とする敵の強烈な左ブローが飛んできた。


ここまでは想定内だ。

これをワザともらったと同時に、腹に渾身の力を入れたカウンターを
アイツは…喰らわすに違いなかったんだ!



違いなかったんだ…。




なんで、倒れてたんだよ。



俺達二人の夢はどうなるんだよぉ…。





ドウナルンダヨー!!



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