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今回は村上春樹の短編集を。
思考をまとめていく。

「ええか、きみは自分ひとりだけの力で想像せなならん。しっかりと知恵をしぼって思い浮かべるのや。中心がいくつもあり、しかも外周を持たない円を。そういう血のにじむような真剣な努力があり、そこで初めてそれがどういうもんかだんだんに見えてくるのや」

一人称単数/村上春樹

→想像すること。想像しなければ見えないものはたくさんある。小説は想像力を養える最高のツール。

「むずかしそうですね」と僕は言った。
「あたりまえや」と老人は何か固いものでも吐き捨てるように言った。「この世の中、なにかしら価値のあることで、手に入れるのがむずかしうないことなんかひとつもあるかい。」

一人称単数/村上春樹

→価値を手に入れるには努力が必要。

「私たちは誰しも、多かれ少なかれ仮面をかぶって生きている。まったく仮面をかぶらずにこの熾烈な世界を生きていくことはとてもできないから。悪霊の仮面の下には天使の素顔があり、天使の仮面の下には悪霊の素顔がある。どちらか一方だけということはあり得ない。」

一人称単数/村上春樹

→多かれ少なかれ。悪霊の仮面に真っ向から対抗することを避ける。そして、自分の悪霊の仮面を小さくする努力をする。

「私は考えるのですが、愛というのは、我々がこうして生き続けていくために欠かすことのできない燃料であります。その愛はいつか終わるかもしれません。あるいはうまく結実しないかもしれません。しかしたとえ愛は消えても、愛がかなわなくても、自分が誰かを愛した、誰かに恋したという記憶をそのまま抱き続けることはできます。それもまた、我々にとっての貴重な熱源となります。」

一人称単数/村上春樹

→愛は燃料。家族への愛。この燃料で動く。

この作品は不思議な登場人物が深い発言を残すテンポの良い作品だった。
やはり小説は定期的に読まないといけない。
学びと想像、この両立を引き続き読書で養う。


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