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女のいない男たち/村上春樹

今回も村上春樹の短編集を。
深い言葉の数々から今回も思考をまとめていく。

幸福とまで言えなくても、少なくとも今日という日を不足なく、健やかに送っていることを願う。明日僕らがどんな夢を見るのか、そんなことは誰にもわからないのだから。

女のいない男たち/村上春樹

→綺麗な言葉。今日を不足なく終えることができること。この素晴らしさを忘れないようにする。

そのような人々はまわりの屈曲した世界に、(言うなれば)まっすぐな自分を合わせて生きていくために、多かれ少なかれそれぞれに調整作業を要求されるわけだが、だいたいにおいて、自分がどれくらい面倒な技巧を用いて日々を送っているか、本人はそのことに気がついていない。

女のいない男たち/村上春樹

→見えないストレス、負担というのはこういうことだと思う。本人も気づかぬうちに周囲に合わせる工夫をしている。この技巧を減らす人生にしたい。

『世の中には礼儀正しい人間がいて、機転の利く人間がいる。もちろんどちらも良き資質だけど、多くの場合、礼儀正しさより機転の方が勝っている』って。

女のいない男たち/村上春樹

→機転は大切だ。礼儀正しいだけではいけない。

そして僕は思うのですが、僕らが死んだ人に対してできることといえば、少しでもその人のことを記憶しておくくらいです。でもそれは口で言うほど簡単ではありません。

女のいない男たち/村上春樹

→またしても深いメッセージ。口で言うほど簡単ではないが、大切にする。

しかし僕らの人生を高みに押し上げ、谷底に突き落とし、心を戸惑わせ、美しい幻を見せ、時には死にまで追い込んでいくそのような器官の介入がなければ、僕らの人生はきっとずいぶん素っ気ないものになることだろう。あるいは単なる技巧の羅列に終わってしまうことだろう。

女のいない男たち/村上春樹

→何も起きない、人生、それはそれでつまらなく、耐え難い。全て、受け止め、通過していくことで人生は完成に向かう。

しかし正からざることをしないでいるだけでは足りないことも、この世界にはあるのです。

女のいない男たち/村上春樹

→世界は広い。深い。良し悪しだけでは足りないことも忘れないようにする。

以上だ。
短編で読みやすく、一貫したテーマだったため、すぐに読み終えた。
このようにメッセージと思考を残していくことで、本当の意味で村上春樹作品を楽しめているように思う。


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