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羊をめぐる冒険/村上春樹

村上春樹を読み直して、作品としては3作品目。
学生の頃に読んだが、noteでアウトプットすることで新たな気づきを得られている。
今回も思考をまとめる。

でもこれは当然と言えば当然の話で、自分にもうまく説明できないことを、他人に向って説明することなんてできるわけはないんだ。

羊をめぐる冒険/村上春樹

→言語化できない感情や想いは他人に伝わらない。伝えるためにも自分の言葉にまずは言語化する。

しかし僕の最大の欠陥は僕の欠陥が年を追うごとにどんどん大きくなっていくことにある。つまり体の中でにわとりを飼っているようなもんだ。にわとりが卵を産み、その卵がまたにわとりになり、そのにわとりがまた卵を産むんだ。そんな風にして、そんな欠陥を抱え込んだまま、人間は生きていけるんだろうか?もちろん生きていける。結局のところ、それが問題なんだね。

羊をめぐる冒険/村上春樹

→村上春樹らしい表現。おしゃれ。だけどその通り、問題は放置したままでも生きていける。だが、そのままでは人は変われない。

「時代が変ったんだよ」と僕は言った。「時代が変れば、いろんなことも変る。でも結局はそれでいいんだよ。みんな入れ替わっていくんだ。文句は言えない」

羊をめぐる冒険/村上春樹

→諸行無常。変化は絶え間なく起きる。

小さな、本当に小さなところから人は年を取っていくのだ。そして拭うことのできないしみのように、それは少しずつ全身を覆っていく。

羊をめぐる冒険/村上春樹

→そういうものなのだろう。しかし、抗いたい。僕は。

ほかにもいろんな機能を果す部分はあるが、大きく分ければこのふたつの部分によって我々の組織は成立している。その他の部分には殆ど何の意味もない。前に進む部分が『意志部分』で、前に進ませる部分が『収益部分』だ。

羊をめぐる冒険/村上春樹

→組織とはこういうものだという表現。意志も収益もなくては成り立たない。だが、収益だげでは誤った方向に進む可能性がある。

「細胞は一ヶ月ごとに入れかわるのよ。こうしている今でもね」彼女はほっそりした手の甲を僕の目の前にさしだした。「あなたが知っていると思ってるものの殆どは私についてのただの記憶にすぎないのよ」

羊をめぐる冒険/村上春樹

→深い。一瞬一瞬は過去になる。その一瞬をどう全力で生きるか。

「君にはそういう面はないからね。しかしとにかく、それが弱さなんだ。弱さというのは遺伝病と同じなんだよ。どれだけわかっていても、自分でなおすことはできないんだ。何かの拍子に消えてしまうものでもない。どんどん悪くなっていくだけさ」

羊をめぐる冒険/村上春樹

→こういった弱さを持つ人間もいる。自分を判断軸にしてはいけない。決めつけてはいけない。

「君は世界が良くなっていくと信じてるかい?」
「何が良くて何が悪いなんて、誰にわかるんだ?」

羊をめぐる冒険/村上春樹

→喜び、悲しみ、怒り、感情、想いは人それぞれ。簡単に決めつけず、想像する。認める。

「きっと今にも何もかもうまく行きますよ」と僕は言った。
「時間さえ経てばね」

羊をめぐる冒険/村上春樹

→僕もこう思いたい。この言葉で前を向ける人も多いと思う。

以上だ。おしゃれな言葉と抽象的な概念の学びが非常に心地よい。
さらっと読み流すよりもこうして、まとめることで本当に素晴らしい作品だと改めて痛感する。
小説で学ぶことを取り入れて、幅が広がった。
今年も残りわずか。引き続き、読書を楽しむ。

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