異国の地でぼったくられる~蒼き狼に会いに#4~
時刻は15:00
入国審査を終え、ゲートを出た瞬間
「おい。乗るか」TAXIと書かれた表示を見せながら、
おっさんが声をかけてきた。
「なんぼやねん。」
タクシーの運転手「50$でええわ」
私「too expensive.25$でええわ」
タクシーの運転手「40$はどうや。」
私「だから高いって、もうええからあっちいけ。」
タクシーの運転手「30$はどうや。」
私「25$じゃないと無理やって。とりあえず、両替させろ。どけ。」
タクシーの運転手「ウランバートル市内の方がレート高いで」
私「Really?でもとりあえず、空港で両替するわ。」
タクシーの運転手「OK.25$でいいよ。だからすぐにいくぞ。」
私「OK.じゃあ25$ね。」
交渉の結果25$でタクシーに乗った。
新チンギス・ハーン国際空港からウランバートル市内までは約1時間半。
空港を出発してから見渡す限りの大草原。
家畜が道路の脇に当たり前のようにいる。
そんな新鮮さ光景が広がっていた。
車内はというと、ここも新鮮な光景が広がっていた。
運転手が、友達と電話しながら、運転している。
しかも運転が荒い。まさにカオス状態だ。
彼は日本人が好きで、日本に行ってみたいと言っていたが、ぜひ私も日本に招待したい、日本の教習所に。
空港から出発してから、およそ45分。すでにウランバートル市内に入っていた。
ここで気が付いたことは、モンゴルは日本車がめちゃくちゃ多いということ。私の体感では、9割が日本車だ。
日本車の内の1~2割はプリウスである。
運転手に聞いてみた。
「これは中古車で買ってるの?」
「そうやで。おそらくほとんどのモンゴル人が中古車やと思うわ。」
私自身、中古車屋でアルバイトをしていたことがあるのだが、その時の経験が結びついた。
というのも、中古車を買い取りするときに、だいたいボトムの値段は決まっている。およそ一万円だ。(そう言っていた気がする)
上司に聞いたことがある。
「こんな古い車買い取って、損しませんか?」
「実は古い車は、海外に輸出するから、そうでもないよ。」
バイトでの経験がモンゴルでつながったのは非常に面白い。
そんなことはさておき、もう一つ気が付いたことがある。
それは、ウランバートル市内の渋滞がすごいということ。
実は、モンゴルの国土は日本のおそよ4倍あり、人口は340万人ほど、世界で一番人口密度が低い国なのだ。
しかし、ウランバートルの人口は約170万人。ウランバートル市内に限って言えば、超が付くほどの過密地域なのだ。
確かに、見渡す限りマンションかアパートだ。
それに加え、冬の市内の最低気温が-40度を超える。そのため、ほとんどの人が車で移動する。そういうわけもあり車の渋滞がひどい。
ちなみに市内では、驚くほどループがあり、スーツを着たビジネスマンが乗っている。
そうこうしているうちに、ホテルの前についた。
お金を払おうとしたのだが、100$しか持っていない。
「とりあえず両替したいねんけど、てか今日は日曜日で銀行空いてないやん。どうしよ。」
「俺がお釣りをトゥグルク(モンゴル紙幣)に変えてあげるわ。」
「本当に大丈夫か。でもしゃーないよな。」
流石にちょっと心配で運転手と2,3分話し合ったがをしたが、仕方がないなと思い、100$を払った。
返ってきたのが80,000トゥグルク。
いや、額がデカすぎて分からない。
しかし、あれこれ言っていても仕方がないので、
「OK. I believe in you」とだけ言ってホテルにチェックインした。
おそらく25$を払ったのだろう。
今回の旅は低コストを意識したので、8$のゲストハウスに泊まった。
エントランスでチェックインをする。
私「8$分をトゥグルクで払っていい?」
ホテル従業員「ええよ。ちょっと待ってね。計算するわ。35,000トゥグルク払って。」
心臓がドキッとした。
結局調べてみると、1$=3400トゥグルク、1円=21トゥグルクだった。
つまり、空港からウランバートルまで1万2千円以上払っていた。
通常はおよそ3千円から5千円くらいらしい。
「あの運転手、何が「オレ、日本人のことめっちゃ好きや。」やねん。そら日本人の事好きやろうね。金を余分にとれるもんね。」
怒りが収まらないが、仕方がない。
(確認していない自分に非がある。まあこれも一人旅の経験か!)
世界には悪い人もいるんだな。心からそう思った。
明日からようやく遊牧民に会いに行ける!そんな気持ちでベッドに入った。
つづく
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